オーストリア中央部タムスヴェークで、無免許のうえ酩酊状態のまま消防車を運転して追突事故を起こした18歳の消防官実習生が拘束された。事故発生後、現場から逃走を試みようとした実習生を捕まえたのは、その場に偶然居合わせたタムスヴェークの町長であった。
事件は18日夜、町の中心地にある広場で、タムスヴェーク町長Georg Gappmayer氏が会議を終わらせ他の参加者たちと話をしていた時に発生した。Gappmayer氏は、「大きな衝撃音が聞こえたので向かったところ、消防車が家の外壁に衝突しているのを発見したのです」と当時の様子を『OE24』紙のインタビューで話している。
Gappmayer氏たちが事故現場に接近した際、運転手と思われる男が消防車から降り逃走を試みようとしたそうだ。同氏はそれを見逃さずに追跡して男を拘束、警察が来るまでの間、取り押さえることとなった。
その後の警察の発表によると、タムスヴェークの隣町マウテルンドルフの消防官実習生であった18歳のこの男は、事件発生時運転免許を所持しておらず、さらに酒を飲んで酩酊状態であったという。そのような状態で男は消防署の車庫に忍び込み消防車を発車。タムスヴェークに向かい“ドライブ”をしようとしたものの慣れない運転に加え酔っていたこともあり、約11キロの走行後右折しようとして外壁に衝突した。事故当時現場付近は大騒ぎとなったが、幸いなことにこの事故による負傷者の報告はされていない。
男が実習を行っていた消防署の所長は、彼は実習生として信頼されており、また他の署員たちも彼に対して業務を熱心に教えていたという。だが今回の事件で学んだことが全く意味のないことになってしまったと話し、失望の念を隠せないでいるとのことだ。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)