エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】「ジャニーズの落ちこぼれ」。生田斗真がJr.から俳優になるまでの苦悩。

ジャニーズに所属する俳優・生田斗真が、テレビ番組でJr.時代に同期や後輩が売れていく中で自分だけCDデビューできずに悩んだ日々を語った。彼はやがて俳優として活躍を始めるが、今度は「ジャニーズにいる意味が無いじゃん」といった周囲の声に落ち込むことになる。そんな生田を救ったのがある先輩の言葉だった。

生田斗真がジャニーズに入ったきっかけは母親だった。彼がゲスト出演した1月26日放送の『心ゆさぶれ!先輩ROCK YOU』で「母がSMAPの木村拓哉さんの大ファンで、会えるのではないかとジャニーズのオーディションに応募した」と明かしたのだ。サッカーの試合があったが「こんな機会は二度と無いから」と引っ張っていかれたのである。

オーディションではいきなり振り付けを覚えて踊らされると、その日はそれで終わった。合否も分からないまま1週間後に横浜アリーナで開催されるKinKi Kidsのライブに集合すると、「オーディションで覚えた振付けで踊ってください」と本番のバックダンサーをさせられたのだ。そうやって現場でオーディションしていくのが事務所のやり方で、次からは呼ばれない者もいたという。

そういうことが続いて、気がつくとなんとなくジャニーズJr.として活動していた。生田もジャニーズ事務所に入った日については「意外とうっすらしている」と記憶しているのだ。さらに、彼はその頃に『天才てれびくん』(NHK)のオーディションを受けるように言われて合格したのである。番組のレギュラーを2年間務めたが、その間に他のJr.メンバーと活動のパターンが違ってきた。

ジャニーズでは「“レコード(CD)を出して初めて認められる”という暗黙のルールがある」と生田は話す。同期や後輩たちが次々とグループで曲を出して売れていく姿に焦りを感じており、当時は「僕はジャニーズの落ちこぼれ」と苦悩したことを明かした。

そんな彼が17歳の時に舞台と出あった。共演した『劇団☆新感線』や演出家の蜷川幸雄氏からいろいろなことを学び、その世界に引き込まれていったのである。彼が「ジャージで稽古場に行く生活が“なんかイイな”と思いましたね」というように、役者としての道を進む気持ちが固まったのがこの頃である。

舞台からドラマや映画へと活躍の場を広げた彼は、『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』で注目されると、映画『人間失格』で初主演を果たすなど人気俳優への道を歩みだす。ある日、生田がジャニー喜多川社長に会うと「You! 俳優の人だ!」と呼ばれた。その時、生田は「そう見てくれるんだ。そっちに(俳優に)行っちゃっていいんだ!」と思ったそうだ。社長が自分の進む道を認めてくれていることが嬉しかったのである。

それでも周囲からは「俳優だけでやるんだったら、ジャニーズにいる意味が無い。他の事務所に入ったほうがいいじゃん」という声も聞こえる。頑張っても認められない悔しさに落ち込む生田は、ある先輩から「出る杭は打たれるけど、出過ぎた杭は誰にも打てない」と言われたのだ。

「アイドルの事務所で俳優だけやっているのが、逆におもしろい」そう思ってやって来た彼が心折れそうになる時には、先輩の言葉を思い出して「誰にもなれないところまで行けばいいんだ」と自らを元気づけるという。

生田は台本に全く文字を書かない。立ち位置や左右どちらに移動するかなども一切メモしないというのだ。彼が「書いた文字が芝居中に浮かんで邪魔する」と説明すると、番組MCの大東駿介は「僕は空白がないくらいびっしり書きますよ」と驚いた。人気俳優として、彼も生田のやり方を信じ難い様子だ。

そんな大東の反応に生田は「動きは全て体で覚えるから書く必要はない。書いたとしても、またそれを見ます?」と逆に不思議そうにしていた。木南晴夏はそんな生田の話に「体で覚えることがJr.時代からしみついているんだ…」と感動したのである。

「ジャニーズの落ちこぼれ」と一時期は悩んだ生田斗真がその頃のレッスンのおかげで、今は「ジャニーズの俳優」として活躍している。その経験を生かした彼ならではの演技で「誰も叩くことのできないほど出過ぎた杭」になる日が楽しみだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)