EU発!Breaking News

writer : shiina

【EU発!Breaking News】総価値約5億円。鳥の羽に異常に魅せられた男、博物館から羽を繰り返し盗む。(スイス)

鳥の羽に対する異常なまでの興味が高じ、各地の博物館の展示物である鳥の剥製から羽を盗んでいた40歳の男の自宅が家宅捜索され、総価値400万ユーロ(約4億7千万円)もの羽が押収されたことが明らかとなった。

ゾロトゥルン州ゲスゲン出身のこの男は以前から鳥の羽に強い興味を示しており、鳥の死骸や剥製から引き抜くなどして羽を収集していた。だが男の異常なまでの情熱は彼を犯罪へと走らせることとなった。2007年頃から男は珍しい鳥の羽を求め、自分の母国スイスはもとより隣国オーストリアやドイツの博物館に展示されている、現在では絶滅した鳥の剥製を狙うようになったのだ。

オーストリアの『OE24』紙は、被害に遭った博物館の1つである、オーストリアのウィーン自然史博物館の学芸員の話を掲載している。それによると同博物館では、2011年5月に「展示品である動物の剥製を撮影したい」という理由でこの男の訪問があったことは確認されているものの、その際羽が盗まれたことには誰も気づかず、その半年後にドイツの博物館から、鳥の羽を狙う泥棒が出没しているという報告が入ったことで初めて自分達も被害者であることに気がついたという。またやはり被害に遭ったドイツ、シュトゥットガルトの自然史博物館も、時期は明らかにしていないものの、この男によって展示物である鳥の剥製の翼および尻尾の部分から羽が引き抜かれ、持ち去られたことを明らかにしている。

スイスの『BLICK』紙によると、未だ逮捕されていないからなのか、男は自分自身の行いが犯罪であるとは認識していないという。バーゼルの検察局では、窃盗および器物損壊の疑いで男に対する調査が進められている。また警察による家宅捜索も既に行われており、彼が“収集”した鳥の羽は警察によって全て没収され、来月から順次、各博物館へ返却される予定となっている。押収されたこれらの羽の価値は、絶滅した種類のものも多く含まれているため、その価値は400万ユーロにも達すると言われている。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)