今月21日にやってくると言われている『マヤ暦の終わり』。これを『世界終焉の日』と解釈しパニック状態に陥った19歳の男が、モスクワ近郊の街ドルゴプルドニで通行人を突然無差別に襲撃、4人が重軽傷を負うという事件が発生した。『n-tv』が4日付で報じている。
『マヤ暦の終わり』とは、マヤ文明に存在していた約5125年にわたる長期暦の終末に該当するのが、西暦2012年12月21日頃であることから連想された終末論のひとつ。オカルト的な解釈としてこの日に人類が滅亡するというものもあるが、これは非常に信憑性に欠けたものであるという。またいくつか存在するマヤ暦のほとんどが、1つの時代の周期が終わった後は新しい時代が始まるとされていることからも、世界終焉については多くの専門家や研究者が否定している。
だがロシアには迷信深い人が多く、政府が『世界終焉の日は来ない』と公式に発表しているにもかかわらず、21日の『世界終焉の日』に備え食料品などの買いだめをする人が後を絶たない。また、この騒ぎに乗じて『世界終焉の日』のための救急キットや防空壕となる場所を販売する業者なども出現している。
今回の犯人も、メディアで頻繁に報道されている『世界終焉の日』について見聞きしている間にパニック状態となり、金属製のダンベルで通行人を無差別に襲撃するという事件を起こした。これにより3歳の男児が前頭骨を割られ意識不明となり、男児の23歳の母親も鼻を殴られ重傷を負っている。他にも31歳の女性と42歳の男性が頭部を殴られ病院で治療を受けているが、現在この襲撃による死亡者は確認されていない。男は逮捕された後、精神科で治療を受けている。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)