お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志は「笑いの天才」と評され、お笑い芸人の多くが憧れる存在である。テレビ『リンカーン』の企画では、後輩芸人がその松本の魅力に影響されたエピソードが紹介された。平成ノブシコブシ・徳井が18歳の時に“松本人志”を評した内容は松本自身も「怖い怖い!」と身構えるほど率直なものだった。
11月に登場したタワーレコードのポスター「NO MUSIC, NO LIFE?」にダウンタウンの2人が登場して話題となった。浜田雅功が考案したというそのコピーは「ダウンタウンとは、松本である」だ。お互いに実力を認め合う、そんな2人がMCを務めるお笑い番組に『リンカーン』がある。その12月11日の放送では、松本人志がお笑いについて語る貴重な場面が見られたのだ。
平成ノブシコブシの2人が18歳の時に東京NSCに提出した入学願書が公開された。共演の先輩芸人たちが驚いたのは、徳井健太の願書の内容である。“応募したきっかけ”には「僕が今知っている全ての面白い人は全員“大阪のNSC”を出ている。だから“東京NSC”を出て、初めての面白芸人になろうと思ったから」と書かれていたのだ。周囲の先輩芸人からは「品川庄司をまったく認めてない」、「多くを敵に回した」と責められていた。
しかし、18歳にしてこれだけの決意を書ける徳井は凄い。その彼が“自己PR”について記したのが、「僕はダウンタウン松本が一番面白いと思う。僕は松本を越えられる気がしない。今はしない。同じラインに立って初めて壁の高さと登り方が分かると思う」というものだ。
“松本”と呼び捨てにしたことについてさまぁ~ずやおぎやはぎは「呼び捨てなんだ」と騒いだが、当の松本人志は「僕も素人のころは呼び捨てにしていた」とあまり気にしていなかった。先輩芸人たちから「今が同じラインに立ったんだとしたら、登り方は分かった?」と問われた徳井は、「全然見えないです」と平身低頭したのである。
バイきんぐの小峠英二もまた、松本人志を尊敬するという。彼は今回出演するにあたり「ダウンタウンさんに聞きたいことがある」と言い出した。今回は、松本人志だけの出演なので彼がそれに応じることにした。
「僕が言うのもおこがましいですが、ボケなしで(答えてもらって)大丈夫です!」と小峠は松本に念を押して質問を始めたのだ。
「企画やネタを考える時に気をつけていることは?」という質問に、松本が「企画が他でやっているものと被っていないか気をつけている」と答えると芸人たちも真剣にうなずいた。
次に「なぜ、松本さんがスーツで浜田さんが私服という独自のルールを作ったんですか?」と小峠が問うと、「お前いい加減にせえよ、タチ悪いぞ! お前悪いヤツやな!!」と松本も焦ってしまう。しかし、他の芸人もそれをぜひ知りたいと追及するので「スタイリストさんが違うから、そのアレじゃないですか?」と松本もしどろもどろに答えたのだ。彼は浜田の服装には口出ししないという。
さらに、小峠は続ける。「どうしても面白いことが思いつかない日はありますか? そんな時はどうしていますか?」と松本のお笑いの秘密に食い込む質問をした。松本も真面目に「『ホンマに今日は何も出ないな』という日はありますよ」と答えると、「休みの日とかの方が調子が良かったりする。嫁に『ビシビシ決まってるね!』と言われたり」と休みの日もネタを考えるストイックな面を明かしたのだ。それでも面白いことが浮かばない時は「すごい、昔の引き出しから出してきますよ」と答えた松本は、しゃべりすぎたと感じたのか「編集はどうするんすか!?」と後悔していた。
こうして、小峠の追及により「天才」と呼ばれる彼も地道にネタを考え続けていることが分かったのである。18歳だったピュアな徳井健太が、「ダウンタウン松本が一番面白いと思う」と感じた松本人志の笑いを支えるのはそうした努力なのだろう。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)