EU発!Breaking News

writer : shiina

【EU発!Breaking News】夫の蘇生を願い。3年間、子供達に遺体との“会話と食事”を命じた母。(露)

ロシアのヤロスラヴリ州にあるセミブラトヴォ村から、頭部と右手部分が欠けた男性の遺体が発見された。その後の調査で遺体は3年前に死亡した男性であり、殺害されたものではなく男性の妻が、彼が生き返ることを願い埋葬しないまま今日まで自宅に安置していたものであることが判明した。

ロシアのニュースサイト『RIA Novosti』の19日付の報道によると、この遺体は今年7月にセミブラトヴォ村の藪の中からビニール袋で覆われた状態で発見された。遺体は頭部と右手が欠けており、当局ははじめ殺人事件によるものとしていたが、調査が進むにつれ全く意外な事実が判明することとなった。

キリスト教の流派の一部であるペンテコステ派の宣教師であったこの男性の死因は、殺害ではなく病気であり死亡時期は3年前の2009年8月であった。だが、現在まで遺体が残されていたのは、男性の死を認めようとしなかった彼の妻が、夫が生き返ることを願い、今年7月まで埋葬せずに自宅のベッドの上に安置したままにしていたからであるという。

妻は子供達にも「彼はもうすぐ生き返る」と説明しており、「父親に心配させないように」という理由で、子供達に毎日遺体と会話をし、また“食事を与える”ことを命じていた。だがこの妻は、「自分が部屋に入ると、遺体が生き返らないかもしれないから」という理由から、部屋に入ることは全くなかったそうだ。

今年に入って家族が他の街に引っ越しをすることになり、その際に遺体が発見されることを恐れた5人の子供のうち9歳の少年と14歳の少女が、遺体を“片付ける”ことを決意、ビニール袋で覆った遺体を人目のつかない茂みの中に投げ捨てることで処分を試みた。発見時に遺体の一部が欠けていたのは、頭部と右手の部分が処分時に落下してしまい別のごみ箱に捨てられたからである。

だが、なぜ3年もの間遺体が発見されずにいたのか。この子供達は全員学校に通わず、ペンテコステ派から公認された教師である母親のもとで教育を受けるなど、家族全員が世間から孤立して暮らしていたからであると見られている。また遺体から発生していた腐敗臭も相当のものであったが、これも子供達が室内用芳香剤を大量に設置することでごまかされていた。

この事件は殺人によるものではないことが明らかとなったため、発覚後も妻は逮捕されず、また入院などの措置も取られなかったものの、彼女は精神的に非常に不安定な状況にあると見られている。また子供達は現在、児童保護局においてカウンセリングを受けているとのことだ。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)