EU発!Breaking News

writer : shiina

【EU発!Breaking News】『フェイスブック殺人事件』続報。犯人の少年少女らに判決が下される。(オランダ)

以前こちらでもお伝えした、フェイスブックに悪口を書かれたという理由で10代の少年少女ら3人が当時15歳の少女を殺害した事件で、犯人全員に対する判決が12日までに下された。判決はその犯行の状況から、未成年の犯罪者に対する最も重い刑が下されることとなった。

今年1月、オランダのアーネムに住む中国系の少年少女らの間で発生したこの殺人事件は、被害者、加害者共に全員10代であったことから、オランダはもとよりヨーロッパ中に強い衝撃を与えており、加害者3人に対する裁判の行方が注目されてきた。殺人の原因が生じたのも、犯人らが殺害の計画のために連絡を取り合ったのも全てフェイスブック上であるため、この事件は『フェイスブック殺人事件』と名付けられ、ティーンにインターネットとどう関わらせていくかという議論をオランダ中に巻き起こすこととなった。

裁判の様子はヨーロッパの多数のメディアによって報じられており、9月2日には事件の首謀者らに命令され実際に被害者に手を下した少年(15)に対し、懲役1年及びその後3年間の精神科病院における治療処分が言い渡されている。そして今月12日に行われた裁判では殺人事件の首謀者2人、すなわち被害者の友人であり彼女にフェイスブックで悪口を書かれた少女(16)、そして彼女の元ボーイフレンドの少年(18)に対する判決が下され、それぞれ2年間の懲役刑及びその後1年の治療処分が言い渡された。

判決について裁判長は、この犯罪は大人が犯したものと同等と言えるものの、首謀者らは犯行当時は未成年であったため“未成年にとっての”極刑であるとしている。18歳の少年はオランダの成人年齢に達しているが、犯行当時は17歳であったため、他の2人と同様に未成年に対する刑法に従った判決が下された。

犯行現場に遭遇し自身も被害に遭った被害者の父親はこの判決を受け、「馬鹿馬鹿しいほど軽いものだ」とコメントしている。同時に「インターネットでのチャットやソーシャルネットワークが、子供たちに及ぼす危険性はまだ軽視されている」と話しており、世間の子を持つ親に対して注意を促した。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)