AKB48は東日本大震災による被災地を訪問してミニライブなどを行う活動を続けている。11月24日に福島県相馬郡新地町を訪れた様子を劇場支配人の戸賀崎智信氏が報告しているが、同町の「報道空白の5重苦の町」という実態を知ることとなった。そうした状況だけに、AKB48の訪問は子供たちだけでなく大人も心から喜んでくれたようだ。
AKB48が昨年の5月より行っている被災地支援活動も19回目となった。今回は仁藤萌乃、大島涼花、岩田華怜、横山由依、菊地あやか、高橋朱里、田島芽瑠(HKT48)の7人が、新地町の尚英中学校と総合公園町民野球場の2会場でミニライブやじゃんけん大会などを行った。
『AKB48 Official Blog ~1830mから~』で、11月25日に戸賀崎支配人が「新地町は地震・津波の甚大な被害に加え、原発、風評被害などそうした現場がなかなか報道されないという、報道空白の5重苦の町だと仰っている方もいる場所です」と現地の状況について触れている。
ステージではヒット曲の「ヘビーローテーション」や「風は吹いている」など6曲を披露すると、集まった子供たちも大喜びだった。また、初参加のHKT48・田島芽瑠が12歳だと紹介されると会場からどよめきが起きたという。終了後のハイタッチ会でも被災地の人々は笑顔を見せてくれた。
そんな中でスタッフが地元の方から聞いた話を戸賀崎支配人が紹介している。「地震・津波・原発・風評被害と4つも抱えているにもかかわらず、誰も来ないし報道すらされない」。新地は“5重苦の町”と呼ばれ辛い思いをしてきたのだ。この事実を語ってくれたと思われるお爺さんが「去年のあの日から、町のみんなで集まる時はいつもみんなで泣いていた。いい大人がみんなで泣いていた。だからこそ今回のAKBの訪問は本当に嬉しい。ありがとう」と力強く握手をしてくれたという。
また、現地の女の子が手づくりしたうちわは「新地町に来てくれてありがとうございます!!」と書かれて、AKBメンバーの切り抜き写真で飾られていた。子供たちにも新地町にAKB48が訪れたことはなにより嬉しかったはずだ。
戸賀崎支配人は報告を終えると、「この活動を通して、被災地の現状を1人でも多くの方に知って頂ければ嬉しいです」と記している。原発事故の為に、現在も避難生活を余儀なくされている人々が「最近はテレビでも報道されなくなった」と嘆いていたことを思い出す。けして忘れてはならない。津波や原発事故からの復興はまだ続いているのだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)