乙武洋匡氏は、『五体不満足』がベストセラーになった後、スポーツライター、小学校教諭、最近は自身の経験からいじめ問題について取り組んでいる。そんな乙武氏が、小学校での教員経験から小説『だいじょうぶ3組』を執筆し、同小説の映画化が決定した。乙武氏がこの作品から伝えたかったこととは?
16日放送『大竹まこと ゴールデンラジオ』(文化放送)にゲスト出演した乙武洋匡氏。乙武氏は、小学校で教員をした経験から小説『だいじょうぶ3組』を執筆した。小説の主人公は自身をモデルにしているが、その人物を乙武氏自ら演じた同小説の映画が来年公開される。
この映画では、生徒役の子役たちが、乙武氏演じる先生と初めて教室で出会うシーンがある。このシーンで子供たちのリアルな反応を撮影するため、それまで子役らは乙武氏と一切面会していなかった。そのため撮影では、子役らが乙武氏の車椅子を凝視し、乙武氏の体を見て呆気に取られている様子が撮影されている。しかし、このような工夫の結果か、映画には乙武氏が伝えたかったメッセージである「一人ひとりが違っていて当たり前。子どもたちの個性を認めるためには、まずは教師一人ひとりが色とりどりの存在であってほしい」ということがしっかり描かれていたと乙武氏は語った。
書籍『だいじょうぶ3組』の続編『ありがとう3組』では、発達障害についても記されている。乙武氏は自分の障害は「ラッキーだ」という。自身は見た目で障害があると分かるので、周りの人が配慮してくれる。だが発達障害は見た目では分からない脳の機能の問題のため、周りの無理解によって、生き苦しく居場所のない環境を作ってしまう。乙武氏はこのような難しい病気を広く知ってもらったらとこの本を執筆したという。
乙武氏は、自分の障害という個性を元に書籍『だいじょうぶ3組』、そして続編『ありがとう3組』を執筆した。最近自身のTwitterで、フォロワーから「iPS細胞で手足が作れるようになっても、要らないって言うんでしょうね」と質問された乙武は、「うん、要らない(笑)」とコメントをし話題になっている。しかし乙武氏の障害=個性という考えを知れば、個性を消してしまうような細工は要らないというコメントに素直にうなずけるではないか。
(TechinsightJapan編集部 佐々木直まる)