木村カエラが歌うカメラのCM曲『Hello Goodbye』が話題になっている。同曲はロックバンド・ビートルズの楽曲で、これまでも多くのミュージシャンがカバーしてきた。それだけに木村カエラもカバーする上でどういう形にするか苦心したようだ。彼女が出演したラジオ番組で、木村カエラとして『Hello Goodbye』をどう解釈したかについて語っている。
解散して今年で42年となるビートルズだが、今でも世界中で絶大な人気を誇る。日本でもいまだに彼らの楽曲をカバーしたものがCM曲に使われることが多い。そのひとつが『Hello Goodbye』で、2003年頃には公文のCMに海外アーティストがカバーしたものが使用され、2010年には成田国際空港のCMで英国のロックバンド・Trashcan Sinatras(トラッシュキャン・シナトラズ)がカバーしたものが流れてやはり話題となった。
現在放送中のキヤノンのカメラ「EOS M」CM曲に起用されている木村カエラによる『Hello Goodbye』は、彼女のニューシングル「Sun shower」にも収録されている。そのニューシングルが発売された10月24日から2日間、木村カエラがラジオ番組『坂本美雨のディアフレンズ』(TOKYO FM)に出演した。
木村カエラはビートルズの名曲をカバーするにあたり、「すでにすばらしい曲ができあがっているので、畏れ多い」とアレンジについてずいぶん迷ったようだ。彼女は考えた末に「超えようとすると逆にダサくなっちゃう。もう、いっそのことヘンテコにしちゃえ」と思いついたのだ。プロデュースを担当したジム・オルーク氏にもその思いを伝えて、「おもしろくしよう」という方向でアレンジしたのである。
マリンバ奏者の石橋英子さんの演奏は「リズムとか、マリンバが暴れている感じ」という木村カエラ。思い描いたイメージを見事に表現している。木村カエラ風の『Hello Goodbye』に仕上げることができたのは、彼女のマリンバによるところが大きいのではないだろうか。
同曲を含むニューシングル『Sun shower』の表題曲について、彼女は「優しいメロディに暑苦しいことを言いたくなかった」と最後まで悩んだそうだ。言葉で“頑張れよ”と表現するのではなく、「感覚で感じる、優しさのある、背中を“頑張ってね”って押せる曲にしたいな」という思いを詞に込めたのだ。
言葉をダイレクトにぶつけるのではなく楽曲全体のイメージで伝えることにこだわった『Sun shower』と、原曲の持つイメージをあえて壊して木村カエラ流に表現した『Hello Goodbye』がカップリングされたことは良いバランスとなっているのではないか。CM曲として話題が先行している『Hello Goodbye』だが、シングルでじっくりと聴いてみたい。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)