フランス北東部リボヴィレにある養蜂場で、青色そして緑色といった不自然に着色されたハチミツがミツバチによって集められるという不思議な現象が発生した。だがこの原因は、世界的に有名なあのカラフルなお菓子によるものであることが判明している。
テレグラフ紙の報道によると、この養蜂場で青や緑といった不自然に着色されたハチミツが集められるようになったのは、今年8月頃からであった。
不思議な出来事であったが、この原因を突き止めるまでの時間はそう長くかからなかった。養蜂場から約4キロメートル離れた場所に存在する、バイオガス工場から出される廃棄物がこの騒動の原因であると判明したのだ。
このバイオガス工場では原料として、カラフルなコーティングで世界的に有名なチョコレート、M&M’s製造の際に出される廃棄物を使用している。当時それを保管していたコンテナは外部に開放されていたのだが、外部からそこにやってきたミツバチ達が、甘味の残った廃棄物から“ミツ”を集めると同時に、残されていた色素も集めてしまったことで、ハチミツに不自然な色が残ることとなってしまったのだ。
養蜂場の指摘を受けたバイオガス工場は、ミツバチが入り込んだと思われるコンテナの中をきれいに掃除し、さらに該当する廃棄物は外部から遮断された工場内の倉庫に移動したと公表している。そのため、今後は着色されたハチミツが集められることはないとみられている。
だがこうして色が残ってしまったハチミツはもはやハチミツではない、せっかくのハチミツなのにこれでは当然売り物になるわけがないと、養蜂家協会の会長は今回の出来事に対し嘆きの色を見せている。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)