EU発!Breaking News

writer : shiina

【EU発!Breaking News】メタノール混入の密造酒による被害続出。小売店でのスピリッツ類販売が禁止に。(チェコ)

毒性があり、飲用すると最悪の場合死に至るというメタノールが混入された酒の飲用が原因で、健康被害や死亡したという報告がチェコで相次いでいる。そのためチェコ政府は、ウォッカやラムといったスピリッツ類の販売を当分禁止する決定を公布した。

アルコールの一種であるメタノールは、ヒトが少量摂取しただけでも視力低下や失明など健康への深刻な影響を与え、最悪の場合死に至らしめるという劇物である。だがチェコでは最近、このメタノールが混入された密造ウォッカやラムを飲み健康を害したという報告が相次いでいる。

これらの密造酒はいかにもそれらしい状況下で販売されていたものではなく、偽造された有名メーカーの商品ラベルが瓶に貼られ、あたかも正規の商品であるという様子で普通の小売店に出回っていたものがほとんどであった。そのため、それと知らずに購入、飲用し被害に遭うケースが続出しており、これまでに19人が死亡、また多くの被害者が病院に運ばれるなどの報告がされている。今回のこうした状況について、専門家はこの30年の間でもっともひどいものであると説明しているほどだ。

ドイツの週刊誌『Spiegel』のウェブサイトは15日、この非常事態を受けチェコのLeos Heger厚生大臣がスピリッツ類の販売を当分禁止するという決定を14日に公布したと報じている。その期限は明らかとなっていないが、騒ぎが沈静化するまで数週間は続くものと見られている。

警察はこれまでの捜索で、有名メーカーの商品の偽造ラベルが貼られた密造酒約500本をチェコ東部の都市ズリーンで発見し押収している。また密造酒製造の容疑で約20名を逮捕したが、首謀者と見られる者はこの中には含まれていないという。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)