ロンドン五輪でメダルが期待される選手のひとりがハンマー投げの室伏広治選手だ。乙武洋匡氏がスポーツライターとして駆け出しの頃にインタビューさせてもらったのが室伏選手だった。乙武氏はテレビ番組で当事を振り返りながらロンドン五輪での室伏選手をどのように応援するとより楽しめるかを語った。
室伏広治選手の父親はハンマー投げの前日本記録保持者で“アジアの鉄人”と呼ばれた室伏重信氏である。そんな環境に育った彼は幼少時より英才教育を受けると高校時代にはハンマー投げで日本高校新記録を樹立して非凡さを見せたのだ。
高校を卒業すると室伏選手は父親が体育学部教授を務める中京大学に進んでさらに才能を開花させていく。世界大会やオリンピックで活躍しながら2004年にはアテネ五輪でついに念願の金メダルを獲得するのだ。
乙武洋匡氏は早稲田大学政治経済学部を卒業後、スポーツライターとして活動する。7月22日に放送された福岡のテレビ番組『ナイトシャッフル』に出演した乙武氏はその頃にスポーツライターとして初めてインタビューしたのが室伏広治選手だったと語る。
「いろいろな話をしてくれました」と乙武氏は当事を振り返る。当事、すでにハンマー投げの第一人者として活躍していた室伏選手は気さくに接してくれた。『周りのみんなが合コンとか行って楽しそうに遊ぶのに、“くるくる回ってばかりで、俺は何をやってるんだ!?”と悩んだ時期もある』と室伏選手は胸の内を明かした。
しかし、その後は『俺にしかできないことがある。精一杯やれることがあるのはかえって幸せなのではないか』そう思えるようになったという。そして迷いから吹っ切れた頃から、彼の記録は伸び出したようだ。そんな室伏選手の話に乙武氏は「これが個人競技ならではの悩みなのだなあ」と孤独との闘いを考えさせられたのである。
そしてロンドン五輪でも室伏広治選手の活躍を期待する乙武氏は「“きっと、合コンにも行きたかっただろうな”と彼の気持ちを思いながら観ると、“飛べ~!”と応援したくなります」とその楽しみ方を語っていた。
室伏選手の身体能力については元プロ野球選手で監督の古田敦也氏も証言しているのだ。彼は古田敦也ブログ『NEO』で昨年の6月13日に室伏広治選手が日本選手権で17連覇した事に触れると、「17年連続で日本一って本当に信じられない」と驚いている。
室伏選手がテレビ番組の“スポーツマンNO.1決定戦”の部類に出場すると、全ての競技で勝ってしまうという。古田氏はその件について「レベルが凄すぎてオファーをかけられないとあるスタッフが言ってました」と明かす。また別のスタッフも『番組作っている僕たちが言うのもなんですが、スポーツNO.1決定戦って言ってますが、NO.1は室伏で決まってるんです』とこぼしたというのだ。
乙武洋匡氏の思い出話に古田敦也氏の裏話。そんなことを重ねながら室伏広治選手の投てきを待つのも楽しそうである。男子ハンマー投げの予選は8月3日(金)の予定だ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)