『2012上半期タレント番組出演本数ランキング』(ニホンモニター調べ)女性タレント部門の第6位になったのが、モデルでタレントの鈴木奈々(24)。アイドルでもお笑い芸人でもない彼女が、ここまでブレイクした要因は何だろうか?
ファッションモデルとしての彼女は可愛らしくて、雑誌などで披露する私服もセンス抜群、若い女性から圧倒的な支持を受けるのも肯ける。
だが彼女が主に出演しているテレビ番組では、近年で最強の“おバカキャラ”として扱われている。また鈴木の話し方や身振りが落ち着きがなく個性的なため、視聴者の一部からは「うるさい」「不快」などと厳しい意見もあがっている。だがこの“一度見たら忘れられない”という、彼女のキャラクターは全くの天然なのだろうか。
7月15日放送の『爆笑 大日本アカン警察』(フジテレビ系)では、ある番組の収録でフジテレビを訪れた鈴木の楽屋での様子が公開された。収録2時間前に楽屋に入った彼女を、隠し撮りしたのだ。
楽屋に入ると直ぐにメイクを整え衣装に着替えると、早速収録本番に備えマネージャーと打ち合わせに入る鈴木。この日出演するのは音楽番組で、「歌って踊れる」をテーマにトークを展開しなければならない。
事前に彼女は、話す内容をメモにまとめてきていた。その詳細をマネージャーに説明し、トークのシュミレーションを始めたのだ。マネージャーをMCに見立てて、何度も何度も本番と同じテンションで話す鈴木。マネージャーが少しでも目を逸らすと、「見ててください!」と注意する。彼女にとって、数分間のトークで結果を出すことが全て。そのためには番組制作側の求める、“鈴木奈々トーク”を完璧に披露しなければならない。その期待を裏切らないために、彼女は工夫し誰よりも努力を重ねているのだ。
実は先日違う番組で、鈴木の姿に感心する場面があった。街にいる一般人にいきなり道を尋ねるのだが、その言葉遣いや礼儀正しさは非の打ちどころが無かった。挨拶はもちろん、「今、話をうかがえる時間はあるか」「テレビに映っても大丈夫か」を丁寧に話し、用件が済むと「有難うございました」と深々と頭を下げている。その時の彼女は本当に気遣いができる女性で、にわか仕込みでやっていたようには思えなかった。しかも、その後車に戻り、同乗者に道順の報告をする際には、肝心の答えはほとんど覚えていない-というところは、“鈴木奈々”のキャラを忘れてはいなかったのだ。
今やバラエティ番組で欠かせない存在となった鈴木。単なる“おバカキャラ”だけでは、ここまでブレイクはしなかっただろう。外見の可愛らしさだけでなく実は真面目で努力家、何より制作側の意図をよく理解して表現できることが、鈴木が番組出演本数を増やした最大の要因ではないだろうか。
(TechinsightJapan編集部 みやび)