ロックミュージシャンの布袋寅泰は、今年の夏に英国・ロンドンへ家族と共に移住する計画を明かしている。その後テレビ番組に出演した彼が、家族との関係や現地での活動イメージを語った。世界でも認められるギタリスト布袋寅泰だが、ロンドンではイチから出直すつもりらしい。それだけに今になって悩むことがあるという。
『布袋寅泰 公式ブログ』で“LIFE IS CHALLENGE”と題して、「世界への夢」を果たすために英国に居を移す決心を発表したのは5月8日だった。東日本大震災の復興に向けたチャリティーライブなど、パワフルに活動していた矢先の決意表明にファンも驚いた。しかし、50歳となる彼が新たに夢を追う姿を誰もが応援するはずだ。
6月9日に放送された『心ゆさぶれ!先輩ROCK YOU』にゲスト出演した布袋寅泰が、ロンドン移住について心境を明かした。あの“ギターの神様”とも言われるエリック・クラプトンをして「日本のトップギタリストは布袋」と認めるほどだ。布袋がロンドンに渡っても、すでに活動基盤はできあがっているかに思えた。
しかし、布袋寅泰がイメージするロンドンでの暮らしは、まさに“イチからの出直し”だったのである。彼は“腕だめし”のつもりでロンドンに移住することを決意したのだ。「小さなライブハウスをできるだけ回りたい。自分でギターやアンプを車に積んで運ぶこともあるだろう」とスタッフが準備万端整える日本の環境を一旦捨てるつもりなのである。「リセットする」と布袋はそれを表現した。
そんなチャレンジに加えて、家族で移住することは嬉しくもあり気がかりでもある。話を切り出したときは「パパの夢なんだからパパひとりで行けばいいじゃん」と娘さんから言われたそうだ。ちょうど学校もおもしろい時期で、彼女もしばらく泣きじゃくった。最終的には娘さんも受け入れてくれたのだが、「そのかわりに3つのお願いがあるの」と条件を出してきた。そのひとつが「ハイヒールを買って」というもので、我が子の成長を感じて今度は布袋が目を潤ませたという。
ところが、子どもは環境に順応するのが早い。今でも布袋が外国のミュージシャンらと英語で会話していると、娘が「パパの英語ちょっとおかしいよ」と指摘することがあるそうだ。「それから英語を話しづらくなった」という布袋は、「ロンドンに行ったら一番に慣れるのは娘だろうね」と苦笑していた。
予定では8月をめどにロンドンに移住することになる。もうあまり日も無いが、布袋は「今も寝る前に『俺はホントに(ロンドンに)行くのか?』と悩むことがある」と本音を漏らす。何が起きても動じないように見える彼も、やはり海外への夢を前に不安がよぎることがあるのだ。逆にそうした感情を乗り越えてこそ、さらなる飛躍が出来るのだろう。ロンドンに移住しても日本での活動は続けるという。その時にはひと回りでかくなった布袋寅泰を見られるに違いない。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)