EU発!Breaking News

writer : shiina

【EU発!Breaking News】「名前以外、何も知らない」は嘘だった。自称「森の中で長年暮らしていた」少年の正体判明。(独)

昨年9月にこちらでもお伝えした、ドイツの森の中で長年暮らしていたと自称する少年の正体が判明した。少年の主張によると、推定17歳の彼は母親を交通事故で亡くして以来、父親と共に長年森の中で暮らしており、自分の「Ray」という名前以外、どこから来たのかなど何も知らないということであったが、彼は20歳のオランダ人であることが明らかとなった。

事の発端は昨年9月5日に、この少年がベルリンの市役所にたどり着いたことである。父親の死後、遺言に従いたどり着いたと話すこの少年に関する有力な情報は、その後もほとんど無かったこともあり正体は一切謎に包まれていた。だが、最近になってベルリンの警察が公表した彼の写真をオランダのテレビ局が番組で流したところ、それを見たオランダにいる彼の親類と同級生から情報が寄せられたことから、その正体が明らかとなった。

その情報によると、この少年は未成年であると見られていたが実は20歳であり、名前はRayではなく「Robin」であること、また彼が主張していた長年森の中で暮らしていたことも嘘であり、オランダ東部の街ヘンゲロー出身であることが判明した。

さらにヘンゲローの警察によると、9月2日には友人と共にベルリンを旅行していたという情報が寄せられていた。しかし、その3日後に彼は「森の中で暮らしていた」少年という偽りの身分を引っさげて、ベルリンの市役所に登場したのだ。

なぜ、Robinはこのような大掛かりな嘘をついたのか。情報を提供したRobinの友人によると、詳細は明かされていないものの彼は個人的な問題を抱えており、自分自身の正体を偽ることで人生を新しくやり直したかったのではないかということである。

現在、Robinはベルリンの施設内のパソコンが完備されている1人部屋で生活し、後見人を探している状況であるという。だが、今回の件で彼が成人であることが判明しため、一連の行為が詐欺罪と見なされる可能性も出てくると、ベルリンの警察は話している。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)