85歳の夫にモルヒネを過剰投与し殺害したとして36歳の女医が逮捕された。先月末、女に対する裁判がドイツ西部の街アーヘンの裁判所で開かれた。

過去に麻薬に溺れ、売春宿で働くという日々を送っていたこの女は、今回殺害された、後に夫となる男性と出会ったことでそうした環境から脱出、その後金銭を含めた様々な面での夫からの援助により、大学で勉強し医者になった。

だが女は職権を乱用し昨年2月、注射剤5つ分のモルヒネを夫の太ももに注射し殺害。その理由について「夫が支配する夫婦の関係から逃げ出したかった」と供述している。

しかし検察側は、事件当時女は別の男性と関係を結んでおり、その男性と暮らすために夫の元を離れようとしたが、女の不倫を知った夫に銀行口座を凍結され、さらに遺産相続の権利を放棄するよう迫られていた。それが原因で2人の間に諍いが発生し、夫を殺害するに至ったと説明している。

先月末に行われた裁判により女に対する判決は間もなく出される予定であるが、女の罪は非常に重く、最低でも懲役15年、最も重い場合は絶対的無期刑（仮釈放による社会復帰の可能性が無い終身刑）が下されるものと見ている。
（TechinsightJapan編集部　椎名智深）