シンガーソングライターの中村中（なかむらあたる）が、4月にリリースしたアルバム『聞こえる』についてラジオ番組で語った。収録された楽曲には、話題の「宇宙兄弟」も歌いこまれているという興味深い証言も飛び出した。

5枚目となるオリジナルアルバム『聞こえる』を4月18日にリリースした中村中が、親しくするミュージシャン仲間に坂本美雨がいる。4月25日に放送されたラジオ番組『坂本美雨のディアフレンズ』（TOKYO FM）に中村が出演したことで、番組も時間が足りないほど盛り上がったのである。

中村は震災後の日本や自身のことを振り返り、今回のアルバムに“脱力”というテーマを設定したそうだ。レコーディング中も“リラックスして脱力”する環境を作る為に「怒ったりイライラしない」という決まりを関係者と申し合わせたという。

そうやって完成した『聞こえる』の収録曲に「平熱」がある。別れた彼女との思い出を歌ったものだが、その歌詞に「借りたまんまのあの漫画が今年、映画化されるって」という部分があるのだ。

番組で「平熱」を流した坂本は、「歌詞にある漫画って何なの？」と尋ねた。ミュージシャンらしいマニアックな質問だが、中村も「そういう質問は大好き」と快く答えたのである。

「小栗旬が出る映画で話題の…」と中村が口にすると、坂本も「それじゃ、ひとつしかないわね。『宇宙兄弟』なんだ」とすぐに理解した。

中村はさらにそのシチュエーションを説明した。「彼女から借りた『宇宙兄弟』の続きを読みたいが、買ってしまうと思い出まで切れてしまいそうで買えないでいる」そんな気持ちを歌詞にしたというのである。これは楽曲からは分からない中村の心の中の情景なのだ。

「平熱」を聴く際には自分の思い出の作品をリンクさせるのが本来の楽曲の聴き方だろうが、そんな中村の気持ちになってみるのも良さそうだ。
（TechinsightJapan編集部　真紀和泉）