中高生を中心に支持されているFM番組『SCHOOL OF LOCK!』のやしろ教頭が、3月1日の放送で辞任することを発表した。番組当初から6年半の間、生徒(リスナー)と本音で交流してきた彼の辞任は大きな反響を呼んでいる。
2005年10月に放送を開始した『SCHOOL OF LOCK!』(TOKYO FM)は、ラジオ上の学校という設定が特徴だ。初代やましげ校長とやしろ教頭がメールや掲示板、電話で生徒となるリスナーと進学や恋愛について本音で語り合うことで、多くの若者が生徒となっている。
現在はとーやま校長とやしろ教頭を中心に、様々なアーティストが講師として参加している。昨年の東日本大震災後は、やしろ教頭がプライベートで被災地に向かって生徒達と会った様子も紹介されてきた。
3月1日の同番組でそのやしろ教頭が、「私、教頭のやしろは、3月29日木曜日の生放送授業をもって『SCHOOL OF LOCK!』の教頭を辞任することを決めました」と発表したのだ。
あわせて女子クラスである“GIRLS LOCKS!”のパーソナリティを務めてきたガールズバンドのねごと、女優の北乃きい、AKB48板野友美も卒業することが発表されて、生徒達にとってはダブルパンチで残念な知らせとなった。
これまでに同校の掲示板には、生徒から辞任を思いとどまるように懇願する声と共に「“理想の女子生徒”を連れて行かないで」との声が殺到している。
やしろ教頭は3月1日の放送で、今回の辞任について「辞める理由は沢山ある。辞めたくない気持ちもある。死ぬまでみんなと話していたいけど…」と複雑な心境を明かしていた。その理由には「自分は本当の先生でもないし、生徒の親に比べてその気持ちを1%も満たせていない。精神だけご住職的な感じになっちゃって」と語っており、生徒へアドバイスすることについて考えるところがあったようだ。
また「海外に行きたいなって思っても行けなかったし、ずっと長いこと一緒に仕事してた人と共に歩めなくなってしまった」とも話していることから、『SCHOOL OF LOCK!』の教頭という立場に様々な制約を感じていたことも理由のひとつのようだ。
学校ではやしろ教頭を名乗るが、彼はよしもと芸人のマンボウやしろ(家城啓之)でもある。昨年9月にお笑いコンビ、カリカを解散したことへの影響もあったのだろう。
今年の1月にマンボウやしろを襲名した彼は「心機一転、芸人の枠にとらわれない活動を行う」と宣言していたので、今回の教頭辞任もそのためへの苦渋の決断だったと思える。
やしろ教頭は、辞任を発表して1週間後の3月9日の放送で「前校長のやましげさん(山崎樹範)が2年間一度も遊びに来なかったのが気がかり」と話し、自分ももうゲストとして呼ばれることは無いのかと不安を口にした。
やましげ前校長も、現在のとーやま校長(グランジ遠山)に気兼ねしているのだろう。4月から新教頭が着任するとやしろ教頭もそうした心境になるかもしれないが、生徒としてはそれでも遊びに来て欲しいはずだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)