映画『逆転裁判』で話題の俳優、斎藤工は高校生で海外を渡り歩き、モデルのオーディションを受けるなど変わった経歴を持つ。その彼がテレビ番組でパリで遭遇した事件を明かしたのだが、強烈な内容に周囲も静まり返ったほどだ。
斎藤工(30)はオーストリアのルドルフ・シュタイナーが提唱した“シュタイナー教育”の小学校で学んでいる。この教育思想については難解なので触れないが、彼のその後の活動が日本という枠にとらわれないのはその影響なのかもしれない。
彼は15歳の頃には自分でモデル事務所「インディゴ」を見つけて所属しており、その頃から俳優を目指していたのだ。高校生で早くも雑誌モデルとして活躍しているが、春休みになると海外へ単身、バッグパッカーの旅に飛び出している。
今や目標だった俳優として活躍する斎藤が、2月18日放送の『メレンゲの気持ち』に出演して海外を一人旅した頃のエピソードを明かした。
彼は香港やパリを現地でモデルのオーディションを受けて旅費を稼ぎながら旅したが、荷物を全部盗まれる被害もあり総じて貧乏旅行だったのである。
パリで借りたホテルは荒んだエリアにあった。それでも斎藤は隣に住むカップルと仲良くなり、楽しく過ごしていた。ところがある日、そのカップルの部屋に柄の悪い男達が数人で押しかけてきたのである。「ドアを蹴破り、ガラスの割れる音がして女性の悲鳴も聞こえた」と、彼は映画で観るマフィアの仕業のような情景を語った。
幸いにもその場は周囲が止めてなんとか収まった。その日、斎藤はオーディションに行かなければならず、そのまま会場に向かったのだが、歩く先にさっきの強面の男達がいたのである。男達は斎藤の姿を見ると「お前はさっきいた奴だな。ポリスに行くんだろう!?」と詰め寄ると、彼の両脇を抱えて窓をフィルム張りしたジャガーに乗せて連れ去ったのだ。
やがてパリ郊外の小高い丘で車から降ろされた斎藤は男達からシャベルを持たされた。彼らがアゴで『そこを掘れ』と指図するので、斎藤も『こういうことか…』と自分でも殺されることが分かったという。
彼が1人で自分の墓穴を腰ぐらいまで掘った時だ。男達は奪ったパスポートなどをその穴に投げ込むと「ジョークだ!」と言って彼を釈放したのだった。
「全然面白くないジョーク!!」と、斎藤の話を固唾を呑んで聞き入った共演者達はホッとしていたのである。斎藤は今も生きているので無事だったわけだが、彼の壮絶な体験はそれさえも忘れさせるほど迫力があったのだ。
斎藤工の経歴を見ると格闘技のカポエイラ、合気道、ボクシングやサッカーも趣味だとある。音楽の趣味も幅広く、なによりモデル、俳優でのエピソードが多い。
彼がパリで命拾いした時を思い出して「ある意味、今は余生です…」と悟ったように語る姿は“只者ではない”と感じさせる。そんな斎藤工のこれからの活躍が楽しみだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)