EU発!Breaking News

writer : shiina

【EU発!Breaking News】学校近くの“アダルト”ショップは違法?パリで物議を醸す、アダルトグッズ販売状況。(仏)

パリでアダルトグッズを扱うチェーン店が学校の近くに店舗を構えていることから、倫理的にそしてフランスの法律に違反しているという批判を受けており、各方面に物議を醸している。

フランスでは1987年以来、学校から200メートル以内の場所にアダルトグッズを販売する店を構えてはならないという法律があり、この法律に違反した場合は、2年の禁固刑あるいは罰金3万ユーロ(約300万円)を科される可能性が生じることとなる。

だがバイブレーターやセクシーな下着、マッサージクリームといった商品を扱うフランスのチェーン店“1969 Curiosités Désirables”が、パリの美術館ポンピドゥー・センター近くにあるSaint-Merri校からわずか90メートルしか離れていない所に店舗を構えており、フランスのいくつかのカトリック団体がこのことを法律違反そして倫理に反すると非難し、店舗撤退のための訴えを起こす姿勢を見せた。

店側の弁護士は、「この店のコンセプトはあくまで『愛』であり、いわゆるアダルトショップではない。他のアダルトショップによくある、ビデオの個別ブースといったものはこの店舗に存在しておらず、扱っている商品も決してアブノーマルな物ではなく、店の雰囲気もオープンでお洒落、そして遊び心に溢れている。店を訪れる客の7割が女性であることからも、この店が決して怪しいものではないことが分かるのではないか」と話している。

だがカトリック団体側の弁護士は、バイブレーターなどのグッズはフランスの法律ではポルノ的なものであると定義されており、販売している事自体が法律違反になるため、法律的にはこちらに完全に有利であると主張する。

これに対し、店側の弁護士は「そもそもパリには沢山の学校が存在しているため、学校から200メートル離れた場所を見つけることなど不可能である。もし法律による締め付けが反対する人々の希望通り厳しくなった場合、パリ市内でこうしたグッズを販売することはもはや不可能となってしまう。そうなると我々だけではなく、同様の商品を販売している他の業者、しかもギャラリー・ラファイエットなどの有名店なども閉店を余儀なくされることになってしまう」と述べている。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)