タレントとしても活躍するデヴィ夫人が、昨年末に詐欺に騙されそうだったことをテレビ番組で明かした。“振り込め詐欺”の部類だが、メールを巧みに使った手口であり誰しも注意が必要だ。
デヴィ夫人は世界的にも政治家や文化人と交流があり、海外の友人も多い。彼女が1月17日にテレビ『ライオンのごきげんよう』で明かした事件も、英国や米国も舞台となる国際的な話だった。
昨年暮れの金曜日のことだ。デヴィ夫人に友人からメールが届き「今、ロンドンにいるが、路上でピストルをこめかみに突きつけられて、パスポート、クレジットカード、トラベラーズチェックなど金品を全部取られた」と言うではないか。
さらに「ホテル代を払えないから2850ドルをすぐに送ってくれないか」と依頼しているのだ。デヴィ夫人はその友人が大金持ちなのに金額が小さいことを疑問に感じたが、「ホテル代の金額なのだろう」とすぐに納得した。なにしろ文面から緊迫した様子が伝わったので、すぐに送金しようとした。
しかし、送金先も分からないので彼女は自分のクレジットカードの番号をメールで返そうとしたのである。するとそれを知った秘書が、「それだけは絶対にやめたほうがいい」と止めたのだ。
それではと、デヴィ夫人はメールで振込口座を教えるように先方に伝えたが返事は無かった。もし、秘書が止めなければカードを使って大金が引き出されたことだろう。
年が明けて月曜日になってから、その友人から連絡があり「ニューヨークにいて、ロンドンなんかには行ってない」と言うのだ。友人は「こちらで元気にしていますから、そんなメールに騙されてはいけない」と例のメールに触れて、「ハッカーがアドレスを盗んだのだろう」と分析していた。
“オレオレ詐欺”などを総称して“振り込め詐欺”と呼ぶが、現在は様々な手口があるようだ。警察官をかたって騙す方法や郵便小包サービスを悪用したものなどがあり、さらに“おまとめローン詐欺”、“ワンクリック詐欺”など次々と新しい手口が出現する。
デヴィ夫人が経験したメールアドレスを盗んで友人になりすます手口は“なりすましメール”とも言われている。「詐欺も国際的になったわね」とデヴィ夫人も驚いていたが、メールを使った方法は国内でも通用するものであり十分に注意が必要だ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)