最近ではあまり珍しくない芸能界から起業家への転身。起業するビジネスは、ファッションやメイク・アートといったそれまでの業界のイメージを色濃く反映したジャンルが多い。そんなタレント起業家のなかでひときわ異彩を放っているのがモデルの家村マリエだ。
2008年からのバラエティ番組『美女裁判(朝日放送)』出演を皮切りに、『渋谷ガールズコレクション』などのファッションイベントに立て続けに登場し一躍有名になった彼女は、2010年に『House village』というカフェバーを開業する。これが彼女の起業家としての第一歩だ。『House village』は“おから”にフューチャーした店。同店舗が2011年に西心斎橋に移転しtakeout&deliveryのお店になって以降は、「“おから”ガール」と呼ばれるスタッフが店舗を盛り上げ、メニューのひとつである「“おから”バーガー」は雑誌で取り上げられるほどの注目度。21歳のとき母親の作ってくれた“おから”料理でダイエットに成功したことがきっかけで“おから”に興味を持ったという家村は、それから4年もの間ただひたすらに“おから”への愛を貫き、先月(2011年11月)には全国豆腐油揚商工組合連合会(全豆連)の「2012豆腐フェア関西“おから”大使」に任命されるに至った。そんな異色のモデル起業家・家村に取材を試みた。
真っ先に質問したのは“おから”の魅力について。家村曰くダイエットに成功したことがきっかけではあるが、“おから”を食べることで肌の変化が見られたり便秘が改善されたりと効果があったことなのだという。また、モデルという職業と相反するようなイメージの“おから”大使に任命されたことについては、自分では50歳くらいでなれたらいいと思っていたが、思いがけないきっかけがあったことで行動を起こしたという。ちなみに、結果が出るまでは受験の合否待ちのような気持ちだったとも話してくれた。
念願の「おから大使」に任命された家村。今後は同じように“おから”を用いている企業や団体などとも連携し、“おから”の有用性について社会に浸透させていきたいと語る。「人の二倍動いて、人の二倍生きる」がテーマであり、モデルに『House village』オーナー、フリーマガジン編集者と何足ものわらじを履きこなしている家村は、今年7月に“おから”マーケット拡大促進事業を事業内容のひとつに掲げた株式会社Marie.Japan (http://mariejapan.com)を立ち上げ、代表取締役も務めている。先月24日には同社の“おから”商品第一弾「オカライフ カロリーバイバイ」(http://cart06.lolipop.jp/LAA0129256/)が発売されたが、レモンやショウガなどの相乗効果が期待できるものと合わせることで“おから”特有の臭いを無くし、かつ、特性を活かしたまま長期保存が可能だという同商品に市場の反応も上々なのだとか。
イソフラボンやタンパク質などを含み食物繊維が豊富な上に、血糖値の急上昇抑制の効果や便秘改善、吸油性などに優れていることなどからダイエットに有用性があることは知りつつも、手を掛けることが面倒くさかったり日持ちがしないということで敬遠しがちな“おから”。しかし、調理の仕方次第でおからは食材として非常に美味しく、摂取することで美容にも効果がある本当は主役になれる存在なのだということを、記者は家村との会話の中で再認識することができた。そんな“おから”への愛を貫き起業へとつなげた彼女は「同年代の人たちに、『家村マリエでもできるんだから、自分でもできる』と思って欲しくて」とこれまでの自分の軌跡を振り返る。「諦めなければ想いはカタチになる」家村が多くの人に忘れないでほしいと話すこの言葉には、体現しているからこその重みが感じられた。ちなみに、この取材後やたらとおからに目が行くようになった記者も、某レシピサイトの力も借りつつ試行錯誤をしながらおから食に取り組んでいる。「おから大使」家村マリエの愛は、どうやら周りの人間にも大きな影響を与えてしまうようだ。
■参考 「家村マリエブログ」 http://ameblo.jp/iemura-marie
(TechinsightJapan編集部 北島要子)