書家の紫舟(ししゅう)は昨年、大河ドラマ『龍馬伝』の題字を書いて広くその名を知られるようになった。実はOLから転身して書家を目指した彼女は、いくつもの苦難を乗り越えて今に至るのだ。その彼女が壁にぶつかった時に実行したというある方法を明かした。
小学生で書道8段の腕前だった紫舟は、大学卒業後に一旦はOLとなるが書道を忘れられなかったのだろう、3年で退職して書の修行を積み書家となったのだ。個展やテレビ、イベントなどで作品が紹介され、新聞への連載など活躍する彼女は東大寺の壁画を手がけてもいる。このように書家として実績を持つ紫舟だが、やはり全国にその名を知られたのは『龍馬伝』の題字によるところが大きい。
そんな紫舟が10月9日に放送されたラジオ「Keep on Smiling」(FM OSAKA)に出演した際に「人生で進む方向に迷う時期があった」と壁にぶつかった時のエピソードを語った。
その頃、紫舟は映画『イエスマン“YES”は人生のパスワード』を観る機会があった。同映画は名優ジム・キャリーが主演するアメリカ映画で、内容は主人公が啓発セミナーで「すべてにYESと答える」と誓いを立てそれを実行するという話である。紫舟は映画を観て胸に迫るものがあり『YESキャンペーン』を始めたと言うのだ。つまり何を言われても全て『ハイ(YES)』と答えるのだが、彼女は数か月にわたりそれを実行したのである。
例えば、友人から食事に誘われた時に『今、このタイミングで?』と気が乗らない時も『YES』と答えた。また、外国に行った時のことだ。海でマッチョマン達がボートを漕いでいた。それを眺めていると彼らが「おい! いっしょに乗ろうぜ」と声をかけてきたが、それにも『YES』である。彼女は水着に着替えてマッチョマンと一緒にボートを漕いだが「凄く楽しかった」そうである。「キャンペーンをしていなければ絶対に乗ったりしない」と話していた。
紫舟はこの『YESキャンペーン』によって次第に良い方向へ進み、悩んでいた壁も乗り越えることができたという。今の彼女が在るのもこのキャンペーンがあればこそとも言えるのだ。
もちろん『YES』しか言わないことは安易なことでは無いが、紫舟はそれをやり切ったことで未来が開けたのだろう。ただ、“○○詐欺”などもあることから、彼女の例を参考にして『YESキャンペーン』を真似るのは注意が必要だ。紫舟は「今度は70%の『YESキャンペーン』をやってみます」と話していたが、たしかに多少の調整は必要かもしれない。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)