「日本語の曖昧さは美学」だと言われるが、文化の違う外国の方にそれを説明して理解してもらうのは難しい。言葉を扱うプロであるアナウンサーも言葉の曖昧さを指摘され、狼狽えたそうである。
日本テレビの女性アナウンサー鈴江奈々(31)は最近苦労した出来事を、10月18日のブログ『仰天プチダイアリー「鈴江&宮崎アナの当番日誌」』で明かしている。
ブログによると鈴江はある地下鉄の駅で外国人男性に道を尋ねられた。彼女は地図を見ながら、英語で説明したという。すると「この人は英語が通じる。」と思われたのであろう。その男性は鈴江に次々と質問をしてきたのである。
「日本人の若い女の子は、なんで内股で歩くのか?」ミニスカートの制服姿の女の子を多く見かけたそうだ。その外国人男性はメキシコからの一人旅で日本を訪れ、1か月の滞在の最終日だった。どうやら日本で感じた疑問の全てを、一気に鈴江にぶつけてきたらしい。
「若い女の子たちは“たぶん”その立ち姿が可愛いと思って、“たぶん”ファッションの一部のような感覚で…。」と答えた彼女に、重ねて質問が。「なぜ日本人は“たぶん”を多く使うの?」と聞かれ、鈴江は困ってしまった。そして「私の本音は言い切る自信が無く、何となく言い切りたくなかったから。」と正直に書いている。
その他にも旅先で食事に誘った日本女性が、“YES”“NO”を答えずに家族の話などをして答えをハッキリ言わない。無理なら何故“NO”と言わないのか不思議に思ったエピソードも話してくれたそうだ。「食事にいけない(orいきたくない)私の状況」を説明しているんだから、察してよ!―というのは、日本人同士しか伝わらないのだろう。
「ハッキリ言えない日本人の対応が理解できない。」という男性に、鈴江は「それが和の心。日本人の考え方なんです。」困った挙句に、こう説明したらしい。海外との交流が増えるにつれ、日本人の考え方も多様化している。近い将来、日本語から“曖昧さ”が消えてしまうかもしれないが、相手の立場を考え調和を重んじる心の伝統はどこかに残って欲しいと記者は思っている。
(TechinsightJapan編集部 みやび)