アイドルグループAKB48のドキュメンタリー映画が今年1月に公開された。映画制作のために、過去のフィルムや現場で舞台裏の彼女達を見てきたのが寒竹ゆり監督だ。その彼女がラジオ番組でAKBの素顔に触れた心境を語った。
AKB48も初めから人気があったわけではない。秋葉原48劇場の初公演は観客が7人ほどだったという。メンバーの高橋みなみは「マネージャーさんがリクエストを叫んでくれた」と当時を語ったことがある。客席がガラガラなので、ファンも自分が推すメンバーのダンスに合わせて位置を移動できる状態だったのだ。そんなAKB48が国民的アイドルへ成長する過程をとらえたのが映画『DOCUMENTARY of AKB48 to be continued』である。監督を務めた寒竹ゆりが9月10日放送のラジオ「Suntory Saturday Waiting Bar『AVANTI』」(TOKYO FM)の中でAKB48について語った。
「まゆゆとは一緒に仕事をしたいと思った」と、寒竹監督はメンバーの渡辺麻友に特に強い印象を受けたと話す。渡辺麻友は17歳という年齢にもかかわらず、歌やダンスのみでなくバラエティ番組でのトークも光るものを見せる。監督が関わった頃にはまゆゆはまだ16歳だった。「普段はフワフワしたしゃべり方をするが、実は負けん気が強くそのギャップが魅力」と監督はまゆゆを語る。彼女には監督が「アップで撮っても凄く絵になる」とまで言う何かがあったのだ。AKBのプロデューサー秋元康も渡辺麻友については「アイドルの要素すべてを持ち合わせている」と絶賛しており、寒竹監督もそこに魅かれたのだろう。
他にも寒竹監督は峯岸みなみが「テレビに出演しても自分の姿が画面に映らなかった」ことで落ち込みながらも、そこから立ち直る精神を会得していること。宮澤佐江が「顔じゃ勝負できない」とボーイッシュキャラを選び、自分のカラーを作り上げたことなどを例に出し「AKB48のメンバーは皆、そういう考えをちゃんと持っている」と語った。
監督の話とは離れるが、秋元才加がブログ『ブキヨウマッスグ。』で手話を勉強していることを紹介している。「沢山の方と出会いたいから勉強してます」と彼女はその動機を書いている。この日、秋元才加はAKBの握手会があったことを報告しており、そこから手話の件へと話がつながっている。彼女はこれまでに握手会の中で『手話ができればコミュニケーションがもっととれる』と感じたようだ。
いまやトップアイドルグループとなったAKB48だが、ファンを思う気持ちと努力を惜しまぬ姿勢がそれを実現させたことを寒竹監督の語ったエピソードや秋元才加の行動から感じるのである。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)