スウェーデン国王カール16世グスタフ殿下とシルヴィア王妃がドイツ訪問中、食事のため南西部ハイデルベルク近郊の町ラーデンブルクにあるレストランを訪れた際、満席のためウエイトレスに入店を断られていたことが明らかとなった。
ヨーロッパ人は概して王室情報に興味を持っており、どういった家族構成だとか誰がいつ結婚したとかいった情報に詳しい人が多いが、このウエイトレスはどうやら例外のようで普段から王室情報を目にしないため、自分が応対したのがスウェーデン国王夫妻であったことに全く気がつかなかったらしい。またその日は結婚式のパーティーが行われていたこともありレストランは既に満席で、無理に席を作るよりはいいと判断した彼女は2人の入店を断り、代わりピザを食べることができる他のレストランを夫妻に紹介した。彼女の勧めに従い、国王夫妻はそこでピザを召し上がったようである。
この件についてスウェーデン王室は何も発表していないが、後日その客がスウェーデン国王夫妻であったことを知ったレストランのオーナーは、「国王夫妻の入店を断るなんて、我々は本当に間抜けなことをしましたよ!」とコメントしている。
だが、セレブが常連の一流レストランならともかく、今回の舞台となったのは郊外の町の庶民的なレストランである。更にハイデルベルク出身のシルヴィア王妃はドイツ語が母語であり対応に違和感もなかったであろうから、スウェーデン国王夫妻だと気がつかれなかったのも無理はない。
ヨーロッパのレストランには客を客とも思わない対応のウエイターやウエイトレスが少なからずいるが、今回の件では別に悪意があって断ったわけではなく、代わりのレストランも紹介してくれているので比較的親切な対応だと記者は思うのだが、このオーナーは非常に恐縮しているようで、後日スウェーデン王室に謝罪の手紙を書くと話している。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)