ジャニーズ事務所のアイドルタレントはJr.も含めるとかなりの人数となるが、社長のジャニー喜多川氏から直接スカウトされた者は少ない。テレビとラジオの番組でその貴重な体験をした2人の話を聞くことが出来た。
ジャニー喜多川氏が1960年代のはじめに少年を集めて作った野球チームから「ジャニーズ」は始まった。やがて芸能プロダクション「ジャニーズ事務所」へと成長するのだが、この頃にはまだジャニー喜多川氏が直接声をかけて人材を集めていたのだ。しかしその後、アイドルタレントを続々輩出する頃にはジャニー喜多川氏によるスカウトは極めて稀となったのだ。
6月28日に放送されたテレビ「笑っていいとも!」にテレフォンショッキングのゲストとして出演した東山紀之(44)は、ジャニー喜多川氏(ジャニーさん)から直接スカウトされた1人なのである。司会のタモリもそのことを知っており「ジャニーさんから直接スカウトされたんだよね?」と話題にすると東山もそれを認めていた。彼が小学6年生だった1979年のこと。NHKホールへ音楽番組「レッツゴーヤング」を観に行った帰りスカウトされたのだ。車で移動していたジャニーさんが信号待ちで立っていた東山に目に留まり、降りてきて「You! ウチにきなよ」と声をかけたそうだ。
フォーリーブスをご存知だろうか。1967年に結成された4人組のジャニーズアイドルグループで、当時はまだ数少ないアイドルの中でも絶大な人気を得ていたのだ。その1人の江木俊夫が6月29日に放送されたラジオ「ニチイ Everyday Thanks」(TOKYO FM)に出演した。ここ数年、彼が司会を務める「同窓会コンサート」がきっかけとなり往年のアイドルで結成したS4(元フィンガー5のAKIRA、元狩人の弟・加藤高道、あいざき進也、そして江木俊夫)についてAKIRAと2人で紹介したのだ。
パーソナリティの赤坂泰彦がフォーリーブスの結成時に話を向けると、江木俊夫がジャニーズに入るきっかけから説明した。江木はもともと子役で活躍しており、石原裕次郎などの大スターと映画で共演していたのだ。なかでも人気特撮ドラマ『マグマ大使』のマモル少年は実質主役であり彼の名を広めた。そんな彼にある日ジャニーさんが「You! 家に遊びに来ないか?」と声をかけてくれたのだ。この時は事務所ではなくジャニーさんの自宅に呼ばれる形だった。江木が行くとそこには他にも彼がスカウトした人材がゴロゴロしていたそうだ。江木は「そんな中からステージとかを見て引き上げてくれる」と話すように、彼もまたやがてフォーリーブスのメンバーとなったのである。
今でも2人は時々会って話をするが、ジャニーさんは思い出話はせずに「常に未来を描いたお話をされる」と江木は言う。現在79歳のジャニー喜多川氏はどこまで先を見ているのだろう。江木俊夫はそんなジャニーさんに早く「You! ウチに遊びにきなよ」と誘えるようになりたいそうだ。ジャニー喜多川氏も自分が直接スカウトした東山紀之と江木俊夫がこれからどう育つか楽しみにしていることだろう。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)