スロバキア北西部の都市トレンチーンに新しく市営のプールが建設されたのだが、それはとんでもない欠陥建築であった。
そこには水注入のための水道管が設置されていなかったのだ。
しかもこのプール、水道管だけではなくガス管と下水管も設置されていなかったという体たらく。
本来ならプールは2月中にオープンする予定だったのだが、水道管などを増設するため年内オープンの可能性はほぼなくなってしまったとのこと。
トレンチーン市長のRichard Rybnicek氏は、プール建設に750万ユーロ(約8億5千万円)もかけてしまったため、これ以上の出費は非常に難しいと語っている。
何故こうなってしまったのか。Rybnicek氏は、このプール造営計画は半年前まで任期に就いていた前市長によって計画された、投資回収の見込みが立たない、非現実的かつずさんなものであったと説明している。
例えば、建設を委託した建設会社への契約書には、水道管やガス管の設営については一切明記されていなかったという。
建設会社は契約書に従い、水道管などを設置せずに造営したためこのような結果となってしまったのだが、このことからでも、建設計画がどれだけいい加減なものだったかがうかがい知れるだろう。
水を入れることが出来ないプールなんてまるで冗談かコントのようであるが、Rybnicek氏もそう思ったのか、この工事の失敗をユーモアで誤魔化そうとしているらしい。
トレンチーン市のホームページ内にあるプールの説明には、「飛び込み台からプール内に飛び込まないでください」という注意書きが載っている。
だが莫大な出費のことを考えると全く笑えず、むしろ首をかしげたくなるのは記者だけではないはずだ。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)