東日本大震災発生後の各地での映画上映やLIVEなどイベントが中止、延期されている。そんな中で「第3回沖縄国際映画祭」を主催する吉本興業が開催を決定して話題となった。
プロスポーツ界でも野球、Jリーグ、バスケなどで予定通りに開幕するか検討されている状態だ。各主催者で自粛するか決行するか考え方の分かれるところだ。
震災が発生した3月11日後の12日、13日は土曜日曜でもあり各地で多数のイベントが予定されていたがそのほとんどが中止となった。被害の大きさから考えてもこれは当然の判断だろう。
しかしその後のイベントも軒並み中止や延期が発表されているが、それについては意見の分かれるところだ。
映画界では「ヒア アフター」(ワーナー)や中国映画「唐山大地震 想い続けた32年」(松竹)の上映中止、延期が発表された。
前者はヒロインが津波に被災したシーンが時期的にふさわしくないことから中止と判断された。後者はタイトルどおり震災を扱った内容ということが延期の理由である。どちらの作品も被災から立ち直る姿が描かれているものなのだ。
東日本大震災の被災者にとっては震災や津波の映画を観ることは辛いだろう。しかし被災していない者にとっては被災地の復興に向けて何が大切かを考える機会にもなるのではないか。
音楽界では、J-POPデュオの「ゆず」が予定していた『YUZU ARENA TOUR 2011』を決行することを発表した。
ツアー名を「2-NI- × FUTARI」として内容も当初予定したものとは変更。「今出来る最大限のツアーを行いたいと思います」と思いを語っている。
ゆずやスタッフは同ツアーについて開催するか否かずいぶん迷ったそうだ。「ゆずとしては『音楽を届ける事こそが今の自分達に出来る事』と考えました」と決行の理由がオフィシャルウェブサイトに記載されている。
(ただし福井公演は延期、仙台公演は中止の予定)
またアメリカのロックミュージシャン、シンディ・ローパーは3月16日に予定通り東京・渋谷オーチャードホールでLIVEを行っている。
彼女も震災後でもあり関係者と何度も話し合って開催を決めた。親日家で知られるシンディは『日本人の強さを信じている』とコメントしている。
映画界、お笑い界からもうひとつ。吉本興業は3月18日から開催予定の「第3回沖縄国際映画祭」を決行すると発表した。同映画祭は『お笑い・コメディ映画』が中心となる世界でも稀なイベントだ。
吉本興業は『お笑い』について「笑いは一人一人が誰かと『つながっている』、『誰かがそこにいてくれる』ことを実感できるもの」と説明した。またお笑いでお互いに笑うことで『生きていく意欲の交換』になると言う。
同映画祭は震災後の国民を元気づける力になると判断して、被災地へのチャリティーを目的に開催を決定したのだ。
お笑い芸人のブログやツイッターにも被災者や今回の震災で心を痛める人々のメッセージが多数届いているが『お笑い芸人の皆さんに勇気付けられる』、『お笑いが早く見たい』という声も少なくない。
被災地の人々の気持ちを本当に考えると、イベントなどを『自粛』することが適切なのか今一度考えてみる必要がありそうだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)