東日本大震災が起きてから沢山のTV番組で被災された方々に向けて、私たちが“本当に、今できることは何か。”というテーマを特集していた。その一方で、一部の地域では食品や日用雑貨の買い溜めが起きている。被災地の状況は重々分かっているはずなのに、なぜこのような事態に陥ってしまったのか。
人気プロデューサー・おちまさと氏の3月17日付けの「おちまさとオフィシャルブログ」内で彼の奥様が、「何で被災地では分けあってるのに、東京では取りあってるんだろう」と呟いたと書かれている。果たして買い溜めに走る人々は全員、自分のことしか考えていない人たちなのか?
精神科医の名越康文氏が3月18日の『DON!』(日本テレビ)に出演し、「被災していない私たちでも自覚はしていないが、心の底で浮き足立っている。」と語る。日々の被災地の様子や余震を何度も経験しているうちに、“怖い”“恐怖から逃れたい”と知らず知らずのうちに思っている。だから例えば、日頃忘れたことの無い携帯電話を置き忘れたり、友達との会う予定が変更になったりしただけで怒ったりする。思考力や感情が安定していないのだ。この“今、自分は普通の状態ではない。”ということを自覚し、冷静に落ち着いて考えるように心がけると買い溜めしようとする人も少なくなる―と話した。
『DON!』の番組内である被災者の方から、次のようなコメントを頂いた。
「(被災地以外の皆さんは)早く普通の生活を取り戻して、元気に仕事をしてください。それが、私たちへの支援になります。」似たような内容は、他の番組でも被災地から届いていた。
おちまさと氏もブログの中で、「被災しなかった僕たちの使命は、被災者の皆さんが帰ってくる場所を確保し続けるのが使命ではないか。」と問いかけている。
被災された方々を長い期間支援するためには、私たちが心も体も健康で普段の生活に戻らなければならない。この連休はエネルギーは節約しながら家族や友人と静かに過ごして休息をとり、来週から元気に働こう。前向きに頑張っている被災地の方々のことを、決して忘れずに。
(TechinsightJapan編集部 みやび)