沖縄出身のシンガーソングライターCoccoが「ミュージックステーション」に登場して渾身の熱唱を被災地へ捧げた。そんな彼女の歌と涙に共感して共演者も目を赤くした。
3月25日のテレビ「ミュージックステーション」には浜崎あゆみ、平原綾香、加藤ミリヤ、堂本剛、AI、ゆず、そしてCoccoが出演した。震災後2回目の放送となる今回は、先週急遽声をかけたところ快く応えてくれた7組である。
そのひとり、AIは地震が起きた日に米国のロサンゼルスにいた。何度も被災地の状況がテレビで放送され「すごい情報量だった」とAIは海外でもことの重大さがひしひしと伝わったと話した。
スーパーのレジでもみんなが心配してくれ、訪れた教会では何千人もの人々が日本は大変な状況だからと「みんなでプレイ(祈り)しよう」と一緒に祈ってくれたのだ。彼女は「いろいろな人々が日本のことを思ってくれることに感激した」と語った。
この日AIが歌ったのは『Story』(2005年リリースされた12枚目のシングル)で、内容は『みんなが支えあいながら生きている』ことをテーマとしており、同番組にも多くのリクエストが寄せられている。
歌う前からAIは今にも泣き出しそうな表情をしていたが、その感情を歌に込めることで素晴らしいパフォーマンスとなったのである。
AIが歌い終わり戻ったひな壇では横にCoccoが座っていた。Coccoはうつむいたまま目を閉じてまったく動かないのだ。何組かのアーティストが歌う間もずっと同じ体制で『自分の世界に入り込んでいる』ような状態だった。AIがそんなCoccoを心配して時おり横目で様子をうかがうが、その集中力に声をかけることさえできなかった。
Coccoの出番はラストで、集中力を切らさない為にタモリとのトークも無しで歌に入った。彼女は『ジュゴンの見える丘』(詞曲:Cocco)をアコースティックギター1本の伴奏で宙をみつめるように全身で表現しながら歌い続けた。偶然にも途中で震災情報が画面上部に表示され、Coccoが被災地へ歌いかけるかのようなイメージとなったのが印象的だった。
歌い終わったCoccoは肩で大きく息をして気持ちを落ち着けようとしたがその目は涙が溜まり、泣くのをこらえるのが精一杯だったのである。
CMを挟み、番組のエンディングとなった時にはCoccoは感極まって涙を流す状態で、平原綾香や加藤ミリヤも涙をぬぐっており他の共演者らも目をうるませていた。
AIやCoccoだけではない。この日の出演者7組から、被災地へそして「何かをしてあげたい」と思う人々へ歌を届けようという思いが伝わってきた。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)