東日本大震災復興のための募金活動が盛んになっているが、残念なことに同時に、義援金詐欺も多発している。
これは決して、日本に限ったことではない。オーストリアでもまた、東日本大震災のための義援金詐欺が発生してしまった。
今回明らかとなったのは、ブルゲンラント州ギュッシング市で発生したものである。
推定15歳から20歳、身長160センチから170センチくらいで髪は短く、左耳上の髪を碁盤目のように刈り込んでいる若い男が各家を回り、『募金』を募っていたのだが、この活動は許可を受けておらず、それどころか偽りの募金活動ではないかということが発覚したのだ。
というのは、男が募金に際し身分証明を求められた際、ある学校の名前を挙げ、自分はそこに通っている学生であり、学校で寄付を募っていると話したのだが、別の人にやはり同様に身分証明を求められた際、今度は違う学校名を挙げていたというのだ。
このように、各家庭で身分を偽っており、加えて既に何人かがその男の求めに応じて寄付をしていたこともあり、警察は男のこの行為を悪意のあるものと見なし、住人に注意を呼びかけている。
未曾有の大災害に襲われた日本であるが、ヨーロッパのいくつかの国ではそれでも、日本が先進国であるということや日本側からの要請がないとの理由から寄付を募る告知をはっきり示していなかったり、示していたとしてもあまり目立たせていない機関が少なからずある。
だがこうした状況は「日本のために募金をしたいけれど、情報が少ないからどこにすればいいのか分からない」と、善意ある人々に困惑を引き起こしている。(実際、記者も友人数名からそういった質問を受けている。)
このような詐欺に引っかかる人がこれから出てくる可能性は十分にあるだろう。人々の善意の気持ちが無駄にならないことを祈るばかりである。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)