意外にも、この日が番組初登場だったGACKT。12月13日の『徹子の部屋』(テレビ朝日系)では、NHK大河ドラマで共演した故・緒形拳との感動秘話を語った。
2007年のNHK大河ドラマ『風林火山』でGACKTは上杉謙信役で、緒形拳は家臣・宇佐美定満役で共演した。上杉謙信像は諸説あるが、彼がこの役に指名された経緯や武田信玄とのキャラクターとの対比を鮮明にするため、GACKTは「文化人としての側面を持つ、長髪で美しい」上杉謙信を演じた。しかし広く知れ渡っている「貫禄のある僧侶像」とは異なったため、GACKTの演じる上杉謙信に非常に厳しいバッシングがあったという。相当の覚悟でこの役を引き受けたGACKTではあったが、そういう話を聞けば心は穏やかではなかった。
そんなGACKTに対して、演技の相談にのり励ましアドバイスをしたのが緒形拳だった。ある時は二人の絡みのシーンで会心の演技をしたGACKTへ、他の人に分からないように腰の辺りで親指を立て「OK!」と嬉しそうに微笑んでくれた緒形拳。「この人の期待に応え、喜んでもらいたい。」その時、GACKTは強く思ったという。
撮影も中盤を過ぎたある日、緒形拳と一緒に食事を取っていたGACKTは「僕の表現方法が少しでも間違っていたら、必ず言ってください。」と話した。すると箸を乱暴に置いた緒形拳は、もの凄い怖い顔でこう言ったそうだ。「今までお前に言わなきゃならないことは、全部言ってきた。出来ているんだから、自信を持て! 周りが何と言おうが、お前はお前の道を歩け!」その後ニッコリ笑って、「大丈夫だ、パパ(緒形拳)が付いているんだから。」
GACKTのことを遠くから、いつも見守っていたのだろう。この愛情溢れる言葉に彼は、涙が止まらなかったそうだ。こうして迷いも全て吹っ切れて、GACKTの上杉謙信は誰にも真似できない自信に満ち溢れたものとなったのだ。
(TechinsightJapan編集部 みやび)