常に死と隣り合わせの職業である“戦場カメラマン”、渡部陽一氏。取材先で“九死に一生得た”経験を、12月8日の『くらべるくらべらー』(TBS系)で本人が激白した。
それは2004年、イラク・バグダッドで渡部陽一氏が現地取材をしていた時のことだ。当時は多くの外国人の記者が、テロリストの誘拐犯罪の標的となり最悪の場合、殺害されることも珍しくなかった。
そんな緊張状態の中、現地入りしてから一週間ほどが過ぎていた。本来なら渡部氏がカメラで撮影をしている間は、彼の近くで周りの様子に注意していなければならない現地ガイドが、自身の携帯電話が鳴ったためその場を離れてしまった。その事に全く気付かず、カメラのシャッターを押し続けていた彼の背後から数人の男達が近づいていた。いきなり後ろから目隠しをされ、羽交い締めにされた渡部氏は体の自由を完全に奪われてしまった。
“殺される!”絶体絶命の状態だった。その時だ。渡部氏が拉致されそうになっているのに気付いたガイドが、もの凄い勢いで戻ってきてテロリストのリーダーを殴り倒した。その後も他のテロリストに目もくれず、ひたすらリーダーに馬乗りになり失神するまで殴ったというのだ。その現地ガイドというのが、元イラク軍の特殊部隊の出身でゲリラ戦を熟知していた。リーダーを潰して、仲間を戦意喪失させるというのが鉄則らしい。狙い通り渡部氏を襲ったテロリスト達も拉致するのを諦めて、意識のないリーダーを抱え逃げ出したという。
もちろん敵を叩きのめす自信が無ければ、とても出来ない行為ではある。そんな腕の立つ頼もしいガイドや警護役を雇うには、ある程度のお金が必ず必要である。長期になれば尚更だろう。来年はまた、“戦場カメラマン”の仕事を中心にやっていきたいと話していた渡部陽一氏。しかし彼の希望とは裏腹に、今やTV番組や講演会に引っ張りだこの大人気である。慣れない仕事と忙しさで、この日本で体を壊してしまわないかと、最近は心配になってしまうのだ。
(TechinsightJapan編集部 みやび)