今年の夏辺りから人気急上昇しているのがお笑いコンビ、ピースだがその1人、又吉直樹は芸人仲間でも知られる読書家なのだ。そんな彼が実は子どものころから不思議な出来事が続いていることを明かした。
ピースは先日開催された「キングオブコント2010」では大会最高点となる942点を獲得するも、総合得点でキングオブコメディに及ばず2位となった。
だが、この時の活躍でさらに知名度が上がりテレビ出演も増えているのだ。そのピースが10月9日の「メレンゲの気持ち」に出演した際には実生活にも触れて興味深い内容となった。
なかでもボケ担当の又吉は文学青年と評判で特に太宰治を敬愛している。テレビ「笑っていいとも!」の企画「ことわざアレンジ辞典」では、そのネガティブ過ぎる内容が大ウケして人気となった。この頃からピースとしての人気も上昇してきたのだが、又吉のネガティブな発想の源泉となるものが太宰治からの影響であることは間違いないだろう。
そんな彼には数年前に太宰治にまつわる不思議な出来事があったのだ。又吉の家が東京都三鷹市の下連雀『2丁目』だったので太宰治ファンの彼は太宰が下連雀『1丁目』に昔住んでいたという情報からその地を探したのだが見つからなかった。
彼が図書館で調べてみると、なんと古い地図に下連雀『1丁目(現2丁目)』と書いてあったのだ。そして番地まで調べると太宰治が住んでいたのは又吉と同じ住所だったのだ。
又吉はこれまでも太宰の本の文中に出てくる吉祥寺へ行く時の道筋が自分の知る道と酷似しているので、日頃から「かなり近くに住んでいたはずだ」と感じていたのである。
また、又吉には中学生の時にも不思議な出来事があった。これは彼が文集に書いたものだが、真剣な話だと断りながら「中学2年の3学期になってから夢に福澤諭吉がよく出てくるようになった…」というのだ。しかも「諭吉はぼくのことをマッタンとよぶ。だから、諭吉とぼくは友達だ」と書いているのだ。
この内容に対して又吉は事実だと認めて、夢の中で「諭吉とバドミントンした」と今も夢を憶えていることを明かした。しかし当時の先生からは「なにか悩みがあるのか?」と心配されたそうだ。
又吉のエピソードにはより現実的なものもある。彼は太宰治の名作「人間失格」の初版本を持っているのだ。彼が自宅の書棚から大切そうに取り出して見せたその本の最終ページには『昭和23年7月25日発行』と印刷されており『太宰』の印が捺されていた。彼はこの本を神保町の古本屋で見つけたのである。
ピースのネタの多くは又吉が考えるのだが、確かにキングオブコントでのネタには彼らしい空気を強く感じた。こうした偉人たちの影響が、これからも彼独特のネタを支えてくれそうだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)