EU発!Breaking News

writer : testjournalist

【EU発!Breaking News】”愛煙家に優しい国”もとうとう。進むドイツの禁煙化と新たな問題。(独)

9月18日から開催されている、200年の歴史を持つミュンヘンのビール祭り、オクトーバーフェスト。これまで喫煙が可能だった場所が今年から禁煙となったのだが、それに関して新たな問題が生じている。

ドイツは日本やアメリカなどに比べると喫煙に寛容なお国柄であり、そこかしこで煙草に火をつける人の姿を目にする。それでも禁煙の波はじわじわと広がりつつあり、例えば現在ではレストランやカフェ、バーといった飲食店内で煙草を吸うことは、壁で区切られた喫煙席でない限り、法律で禁止されている。

その影響はとうとう、ドイツ名物・オクトーバーフェストにまで及んでいる。バイエルン州の決定に従い、オクトーバーフェストの目玉である高さ12メートル、7000人を収容できる巨大なテントの中のビアガーデンをはじめとした、オクトーバーフェスト敷地内の屋内施設での喫煙が今年から一切禁止されているのだ。

一見すると、これは特に煙草を吸わない人にとっては朗報である。だが主催者側は、煙草の煙がなくなることで、これまで煙で隠されていたビールや残飯、人の汗、トイレなどの臭いが屋内に充満し、人の気分を悪くするなど新たな問題となるのではないかと懸念している。

そのため主催者側は、例えば開閉可能な屋根をテントに設置して定期的に外気を取り入れたり、人体に害のない微生物を利用してこぼれたビールや残飯を分解するといったちょっと変わった計画を立てたりと、臭いを抑える対策を練っている。

ちなみにこの禁煙法は今年8月に導入された新しいものであるため、今年は間違って煙草を吸ってしまっても罰金を払う必要はないとのことである。

煙草の臭いが嫌だという人もいれば、屋内にこもる有機的な臭いの方が耐えられないという人もいるであろう。禁煙派と喫煙派、どちらもが納得し、最終日まで楽しめるオクトーバーフェストであってほしいものである。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)