絶大な人気を誇り、チケットの入手が非常に困難とされる劇団☆新感線。その看板役者であり、テレビや映画にも引っ張りだこの人気俳優、古田新太。役でみせる存在感同様に、やはりその素顔もクセのあるもので、一筋縄ではいかないあまのじゃくな男だった。
「心ゆさぶれ!先輩ROCK YOU」(日本テレビ系)に出演した古田は携帯電話を持たないなど、自身のルールや強いこだわりを明かした。
キャラクター的にはマイペースで時間にもルーズそうなイメージだが、意外にも集合時間は15分前を厳守。万が一の心配もなく、早すぎることもなく、15分前到着がベストなのだそうだ。「遅刻するくらいなら早めに行って迷惑をかける」人間だというが、学生時代にも学校に早く行っていたずらを仕掛けるようなタイプだった。
長ランやボンタンなど制服の改造が流行ったときも長ランを着るのではなく長ラン並に大きなサイズの制服を着ていく。体型より明らかに大きいがあくまで定型の制服である。後ろの髪が襟のカラーにかかってはいけない校則に対しては前髪ならいいだろうと前髪を伸ばして後ろに流した。そうやって校則の裏をかくのが好きだった古田は「ルールがあるならいい方向でやぶりたい」と語る。“いい意味で型にハマらない”スタイルは、役者としての姿勢にも表れていた。
役作りはせず、台本はあえて棒読みで覚える。素直な解釈もしない。現場で実際に相手とやりあいながら作っていくのが古田のやり方。そのため、他の役者に作られてきたものを見せられるのも嫌だという。大物や先輩役者相手でも姿勢は変わらず、完璧に作りこんできた決め打ちの芝居を見せられても古田はわざとわかってないふりをするというのだ。予定調和にそのまま合わせるようなことはしないのである。勝手に作りこんで想定してきたものをこっちにも強要させるなということなのだろう。
型にハマるのを嫌い、人の想定や思惑から外れたがる男、古田新太はまさにあまのじゃくである。しかしそれによって彼の特異な存在感や周囲に振り回されない姿勢が生成されており、最大の魅力にもなっている。この古田のぶれない姿勢にはMCを務める“狂犬”加藤浩次も感心していた。
番組の最後に古田は劇団☆新感線の最新公演を「面白くないです」と宣伝した。「どれだけ面白くないか見に来て」とも言ったのだが、そこはやはりひねくれ者であまのじゃくの古田のことである。やはり面白いのだろうし、余計に見てみたいと思わせるのだ。
(TechinsightJapan編集部 和田一蔵)