エンタがビタミン

writer : techinsight

【エンタがビタミン♪】ラブシーンは“究極の疑似恋愛”。裸も平気。共演者に本気で恋する寺島しのぶ。

今年の2月にベルリン国際映画祭で最優秀主演女優賞を受賞し、いまや国際派女優となった寺島しのぶ。NHK大河ドラマ「龍馬伝」では龍馬の男勝りの姉・乙女をコミカルに演じる一方で、情念の塊のような女性も演じ分ける実力派である。「日本一過激な女優」と呼ばれる寺島が、自身の演技について語った。

その迫力のある演技から近寄りがたいイメージを受ける寺島しのぶであるが、トーク番組で見る彼女はいつも気さくである。8月25日放送の「爆!爆!爆笑問題」でも、太田、田中の二人を相手に楽しげに語る姿を見せてくれた。

常に情念のこもったラブシーンを演じる寺島は、相手のことを好きにならないとラブシーンが嘘に見えるのではないかと不安になるそうだ。だから撮影中は夢に見るぐらい共演者を好きになるのだが、クランクアップした途端にその感情はさっぱりと消えてしまう。それを「究極の疑似恋愛」と寺島は言い、プライベートよりもドラマチックなことをしすぎた、と語る。演技に説得力を持たせるには、現実よりも過剰にならなければいけないのだ。

そんな寺島であるから、ラブシーンでも妥協を許さず「真剣に愛し合っているように映りたい」と言う。だから画面に映っていない場面でもないがしろにしないという彼女は、男優が女優の乳首を隠しながら演技をするようなラブシーンはおかしい、と言う。「そんなことをするくらいなら、仕事を引き受けなければいい」と怒りをみせた。「女優は裸も衣裳」という名言を残した寺島。彼女にとっては、演技で裸になる行為は特別なことではないのである。台本にあることをしているだけのことだ。役に徹すれば裸もラブシーンも平気になる。だから共演者の男性の裸を見ても何も感じない、とも寺島は言う。男優とのからみが「試合みたいな感じ」だからだ。
そもそも女優が演技の上で脱ぐことに過剰に反応するのはオヤジ目線なメディアが幅をきかせている日本特有のことであり、海外では有名女優が演技の上で裸になったからと言って、とりたてて騒ぎ立てることもないのだ。

そんな寺島のことを「女性として怖くて、近寄りがたいと思っていた」と太田は言う。女優としては敬意を払いつつも、男と女として対峙した時に、この人には敵わないと大抵の男は思ってしまうのではないだろうか。
女優としても、人間としても、器の大きさを感じさせる寺島しのぶであった。
(TechinsightJapan編集部 大藪春美)