戦場カメラマン・渡部陽一氏が、近頃、数々のバラエティ番組などに出演して話題となっている。人気の理由は極めてゆっくりと丁寧に喋る独特の会話のテンポだ。渡部氏は8月20日の「ライオンのごきげんよう」でも、その話術を披露した。
そもそも戦場カメラマンである渡部氏がテレビに出演しはじめたのは、自身がテレビに出演することで活動を広く知ってもらうためである。トーク番組では戦場カメラマンとしての過酷な体験を聞くことができる。
この日の「ライオンのごきげんよう」ではアフリカのジャングルを移動していたときの出来事を語った。次の取材地への移動途中、マラリアに感染した渡部氏は医者も薬もないジャングルから難民キャンプに運び込まれた。しかしそこにも薬はなく、意識のないまま幻覚や幻聴「目玉が飛び出すような」体の痛みに苛まれたという。病床でのたうち回るだけだった渡部氏を救ったのは一人の看護師と、なんと“ファンタオレンジ”だった。
突然現れた看護師は渡部氏の口を開け、現地で売られているファンタオレンジのボトルを突っ込んだ。そして次に茹でたジャガイモを無理矢理口に突っ込んだ。ジャガイモは苦しくて全く喉を通らなかったという。だが糖分を摂取したのが良かったのか一時的に体力を取り戻しベッドから置きあがることができた。その後、南アフリカのヨハネスブルグまで移動、日本に戻って赤十字病院で治療を受けることができた。だがその日本に戻る機内でマラリアが再発、意識を失ったまま雄叫びを上げ続け、バスで移動する最中もジャングルの中をさ迷っているような感覚が続いていたという。
一般人の想像の範疇を超える壮絶な体験なのだが、スタジオには共演者の笑い声が絶えなかった。渡部氏の独特な会話のテンポと、話の内容が真面目なものだけに「笑ってはいけない」という緊張感が、不謹慎にも笑い話のように感じさせてしまう。気になる独特の喋り方だが、司会の小堺一機が訊ねたところ「子どもの頃からこの話し方」と衝撃の事実も明らかになった。
(TechinsightJapan編集部 KAZUKI)