お笑いコンビ、オードリー(ケイダッシュ)の春日俊彰が番組収録中の事故で足を骨折したのが今年の1月19日のことだった。制作側の安全に対する姿勢などが問われて話題となったが、あれから早くも半年が経過した。事故のことを世間が忘れかけたころ、またTBSがやってくれた。
件の番組はTBSの「オレたち!クイズMAN」でのことだ。当時1月19日に春日はクレーン車のワイヤーに吊られながらも高さ3メートルのクレーン上から地面に敷かれたダイブ用のクッション(厚さ120センチ)上に着地するというシーンを撮る予定だった。
ところがリハーサルの段階で着地が思うようにいかずに負傷。左足のスネとくるぶしにある関節の骨折と診断されて休業することになったものだ。
彼は10日間後の1月29日にはレギュラー番組「笑っていいとも!」に松葉杖をついて復帰した。以降は松葉杖での出演がしばらく続いた。
この事故で、その間、特にTBS番組で「芸人らが“泥プロレス”などのパフォーマンスで負傷する事故が続く」と指摘されて「局の体質に問題か?」と話題となったのである。
ところが7月18日放送の「オレたち!クイズMAN」のエンディングで“禁断のビデオ”とテロップが流れて春日がクレーン車の上部から飛び降りるシーンがおよそ3秒間程度だが流されたのだ。つまり、これは“春日が事故を起こしたリハーサルの映像”なのである。
半年前にはTBSは事故直後に「関係各所の皆様に大変ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。…今後このような事故が起こらないように番組制作上の安全管理をさらに徹底していく所存です」とコメントしている。それを踏まえて、エンディングで目立たぬようにとはいえその映像を流すというのは一般的には理解し難い行為だろう。
この日の番組にはレギュラーのオードリーも出演しており、当の春日としては話題にもなるので事故映像を放送することにメリットはあるかもしれない。なんとも複雑な問題である。
ところで、この映像では春日がクレーン車から飛び降りてからの途中までが放送されて、着地する映像は流れなかった。さすがに、着地して骨折する瞬間は控えたのだ。その点は配慮があったといえるだろう。
ひとつ、映像を見て気になったのがクレーンの高さだ。当時の報道では“高さ3メートル”とされていたが、実際の映像ではかなりの高さであり、10メートルはあるように見えたのだ。もっとも約3秒の映像なので確かではないのだが。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)