7月21日発売のSMAPのニューアルバム「We are SMAP!」に収録されている「Love & Peace Inside?」を手がけた槇原敬之。SMAPへの曲提供は「世界に一つだけの花」以来、7年ぶりという。そんな彼がSMAPの草なぎ剛に、音楽に対する心境の変化について語った。
「世界に一つだけの花」は、日本人ならば知らない人がいないというほどの名曲である。その「ナンバーワンよりオンリーワン」というテーマは、競争社会に疲れた多くの人々の心をとらえた。そんな名曲から7年ぶりにSMAPの新曲を手がけた槇原敬之が、7月23日の「僕らの音楽」で草なぎ剛と対談をした。
「世界に一つだけの花」の次の曲を作るにあたって、「プレッシャーはなかったか」と草なぎに聞かれて槇原は、「あんな曲はもう書けないと思った。そのかわり、原点回帰をして今のSMAPに歌ってほしい曲を作った」と答えた。「新曲は期待以上の曲だった」と、感想を述べる草なぎ。「槇原さんは音楽の神です」とたたえた。
以前とは、音楽に対するスタンスが変わったと語る槇原。「以前は、音楽がないと生きていけないと思っていた。周囲に対しても『音楽を聴かないやつはダメ』、みたいに思っていた」。だが、今は「音楽があればもっと楽しい、という程度になった。でも、そう思えるようになってからのほうが楽しい」という。
草なぎはそんな槇原のことを「音楽が馴染んで、槇原さん自身が音楽と化してきたのでは」と評した。「そこまですごくはない」と謙遜しながらも、「この頃は、自分が“槇原敬之”じゃなくてもいい、と思うことがある」と槇原は語った。それはつまり、「ライブ中にみんなが笑顔になってくれると幸せな気持ちになる。みんなを笑顔にするものになら、なんにでもなりたいと思うようになった」ということだそうだ。そして「人は名前によって評価されるけれど、風はそれと名乗らなくても、みんなを快適にする。そういう存在になりたい」と語った。
そんな槇原のことを、草なぎは「やっぱり神じゃないですか」と笑った。
槇原の中でどのような変化があったのか。それは彼自身にしかわからないし、あるいは彼にもわからないのかもしれないが、そのことによって、世俗的な成功より価値があるものを手に入れたのであろう。
新しい境地に達した槇原敬之。これからもさらに素晴らしい音楽を、私たちに聞かせてくれるに違いない。
(TechinsightJapan編集部 大藪春美)