昨年還暦を迎えた矢沢永吉。彼はデビュー当時から一貫して“ライブ”での活動に重点を置いている。これまではほとんどと言っていいほど、テレビの音楽番組にも出演しなかった。そのため、現在の10~20代の若者からは「矢沢永吉の名前は知っているけど、本物は見たことがない。」と、まるで“歴史上の人物”のように言われることもあるという。しかし、“ある時期”を境に矢沢永吉の若者のファンが増えはじめ、今ではツアーにも多くの若い人々が足を運ぶという。
矢沢永吉がなぜ現在の若者たちにブレイクしたのか。それは2006年『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』への出演がきっかけだった。
「矢沢永吉を見たことがないから興味がない。」という声は矢沢自身の耳にも入っていたのだ。この若い世代の声に彼は、「見たことがないのに、興味を持てと言っても無理だよね。」と複雑ながらも理解を示していた。「矢沢のロックンロールを、直に見せてやろう。」と、ロック・フェスティバルへの出演を決めたときも、やはり若者たちの反応は冷たかった。
「あの人、缶コーヒーのおじさんでしょ。」「え~、歌うたえるの?」昔からの彼のファンが聞いたら、怒りで気を失うほどのコメントが若者たちの大半の見方だった。
しかし、矢沢のライブを見た途端、若者たちの見方は一変した。「初めて見たよ~。」から始まり、「ぶったまげた。」「なんで、今まで見なかったんだろう。」。皆一様に感激と興奮のメールを矢沢の元に送った。
『夢チカ18』(北海道テレビ放送)でインタビューに答える矢沢は、ライブを見ている人が「“60歳なのに”がんばっているよね。」ではなく、ライブを見終わった人が「ところで矢沢って、いくつだっけ? (まだ)60歳なんだ。すごい。」と言われるようになりたいと熱く語った。そのため日々のトレーニングも欠かさないという。矢沢永吉は、今年の夏もいくつかのロック・フェスティバルに出演予定だ。ぜひ、“生の矢沢永吉”の歌を真っ正面から聴いて頂きたい。
(TechinsightJapan編集部 みやび)