武田修宏が「日本のマラドーナ」と呼ばれて話題になったのは、2000年にパラグアイ1部リーグに移籍した時のことだ。パラグアイといえばW杯で決勝トーナメントに進んだ日本が次に対戦する相手国である。“パラグアイのサッカー”をおそらく日本の誰よりも知るであろう武田がテレビ番組の電話取材を受け、その凄すぎる強さについて本音を明かした。
武田修宏はJリーグが発足された頃に三浦知良、ラモス瑠偉、北澤豪、中山雅史らと共に日本のサッカー界を牽引したメンバーの1人である。当時のヴェルディ川崎やジュビロ磐田などで活躍し、あの「ドーハの悲劇」として記憶されるW杯米大会のアジア最終予選、VSイラク戦の経験者でもある。
パラグアイは南米でブラジル、アルゼンチンなどに並ぶサッカー王国で、W杯決勝トーナメント進出は4度目という強豪だ。その国で日本人として初めてプレーしたのが武田修宏なのである。
6月27日放送の「アッコにおまかせ!」ではその武田修宏にスタジオから電話でインタビューを行った。武田は「こんにちは、日本のマラドーナです。日本の選手がパラグアイで初めてプレーしたので向こうではホントに凄い評価を受けました」と自分のアピールから入った。
彼は今回の日本VSパラグアイ戦が決まってからというもの「ウルグアイってどこ?」とよく聞かれるらしい。ウルグアイはパラグアイの隣国でW杯8強入りしたこともある強豪国である。それだけ日本ではパラグアイの認知度は低いのだが、その国と日本の対決に関しての武田の意見はなかなか厳しい。
「パラグアイは強いですよ。南米ですから個人技が強いです。いつもアルゼンチンとブラジルのフォワードと対決してるんで守備が強い。アルゼンチンのメッシと毎回対決しているディフェンス陣はとにかく守備が強い。ハングリー精神があるので90分間押されていても一発(逆転)で勝っている。そういうサッカーをします。生活するため、生きるためのサッカーなんですよ」と彼はパラグアイ代表について語った。
また日本VSデンマークで『デンマークが前半途中から動きが悪くなったようだ』との見方については、本田のフリーキックで前半10数分で1点が入り、デンマークとしては2点が必要になった為に選手達が萎えてしまったのが実情だと分析した。
つまり、よりハングリー精神で勝るパラグアイにはそのような失速は期待できないのである。
パラグアイには日系人が7,000人ほど住んでおり、武田が昨日パラグアイの知人と電話で話した際には「(日系人のみんなも)今回の日本とパラグアイ戦は本当に楽しみにしている」と聞いたとのことだ。なかなかの強豪であるパラグアイとの戦いだが、今大会はこれまでも予想を上回る善戦を見せてくれた日本代表だけに武田さえも唸らせるプレーを期待したい。
ところで武田修宏はこの日、神戸にいたようだ。彼は日本サッカー協会公認S級ライセンスを取得して指導者としても活動しており、ちょうど子供達にサッカーの指導を行っていたのである。現役引退後もタレントとしてサッカーの知名度を上げ、後進の指導にも尽力する彼の活動は少なからず日本のサッカーに影響しているはずだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)