エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】“弁当なし”。“楽屋は大部屋”。長寿番組『笑点』の知られざる真実。

毎週日曜日の夕刻になると、テレビのチャンネルを『笑点』(日本テレビ)に合わせるご家庭は多いのではないだろうか。同番組は人気お笑い芸人がレギュラーなわけでもないのだが、放送開始から44年目となる今も18%以上の視聴率をかせぐ驚異的な人気番組だ。その『笑点』人気の秘密を大喜利メンバーの6代目三遊亭圓楽(元楽太郎)が語ってくれた。

現在、同番組のレギュラーは司会の桂歌丸、林家木久扇、三遊亭好楽、三遊亭小遊三、6代目三遊亭圓楽、春風亭昇太、林家たい平、そして座布団運び担当の山田隆夫となっている。

基本的に18%以上、高い時は20%を超える高視聴率番組だけに各自の出演料もかなり高額となりそうなものだ。ところが圓楽が6月12日放送の『メレンゲの気持ち』で意外な事実を話したのである。

「ギャラはずっと同じ」と彼は言うのだ。もっとも、各自のギャラの額は当人にしかわからないので圓楽のギャラの推移から予想した範囲である。彼は「ギャラはずっと上がってない」と話すと次のように分析した。林家こん平が病気で降板して弟子のたい平が代理出演しており、当然出演料は下がるはず。また、故5代目三遊亭圓楽が引退して桂歌丸が司会となり春風亭昇太がその代わりに登場した。そこにも歌丸と昇太の差額分が安くなるはずだ。出演料の総額が下がった分はどうなったのか? そして彼は「それはどこに消えたんだろうな? 実は歌丸師匠が役職手当を要求したと踏んでるんだ」と笑いながら推理した。

また、視聴率をかせぐ番組はどの局もお弁当がイイのである。例えば『HEY!HEY!HEY!』(フジテレビ)に初めて出演した芸人の『めおと楽団ジキジキ』が「弁当の格が違う」と驚きを隠せなかった。その時は4種類のメニューがケータリングで用意され食べ放題だったという。

『笑点』はそれ以上の視聴率をかせぎ、40年を超える長寿番組であるだけに、お弁当はどうなっているのか気になるところだ。圓楽によると「笑点は弁当は出ないよ」と言うのである。収録は後楽園ホールで隔週土曜日の昼間に行われ2週分を録り、大体、午前10時に入って午後15時に終わるというのだが、お弁当どころかお菓子も出ないという。いつも皆は差し入れのお菓子や圓楽が買ってくるあんぱんやカレーパンを食べたりするようだ。

では、楽屋はどうなのか? 名のある落語家だけに各自お決まりの楽屋がありそうだが、実は大部屋に全員が入るのである。御大、桂歌丸から、山田君までみんな一緒に大部屋でくつろぎ、畳を敷いた場所で着替えるという。また一角にベッドがおいてあり「ここは気分が悪い方、具合の悪い方の為にあけてあります」「急患の際にはここを使います」と貼紙がしてある。そのベッドに歌丸が座るらしい。

最も驚いたのは座布団の件だった。なかなか座布団をためるのは難しいのだが、なんとか10枚たまると賞品がもらえるのだ。この賞品が洒落の効いたものなのだが、もらう本人はあまり嬉しくないのである。これまでには歌丸が『犬小屋』をもらったが彼は犬は飼っていないのだ。小遊三が9年前の2001年に10枚ためてもらった賞品は「2001年宇宙の旅」にかけた「2001円で府中で買った足袋(たび)」だったらしい。

圓楽が「一番腹がたった」という賞品は「林家木久扇さんに落語の稽古をつけて貰える」というもので、本来はロケでやる予定だったのに「めんどくさいからそこで」といって大部屋で「雨が降ってる。や~ね(屋根)」などと木久扇流の駄洒落を指南されたのだ。どれもこれも苦労してためた座布団10枚に見合う賞品とは思えないものである。

『笑点』はこのように人気番組にしては出演者の待遇が地味なのである。しかし、これが同番組が老若男女とも安心して楽しめ、40年以上も飽きられずに支持される秘訣かもしれない。レギュラーメンバーもその事を感じているからやっていけるのだろう。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)