「イケメン俳優は嫌い」と言う井筒監督だが、不幸にもイケメンブームの波に乗ってしまった映画「パッチギ!」。出演俳優たちに「あいつら、大っきらい!一生、仕事せん!」監督はそう吠えた。
5月30日放送の「ボクらの時代」。ゲストは映画監督の井筒和幸、お笑い芸人の宮川大輔とケンドーコバヤシだった。二人とも井筒監督の映画に出演した。宮川は「岸和田少年愚連隊」と「パッチギ!LOVE&PEACE」に、そしてコバヤシは「パッチギ!」に不良高校生役で出演した。
この二人の他にも「岸和田少年愚連隊」では主役にナインティナインを、そして現在上映中の「ヒーローショー」ではジャルジャルと、芸人を起用することが多い監督。そんな監督が、どうして芸人を使うのかという質問に対して、「人をだます基礎ができているから」と答えた。「芸人は、自分すらもだます。心の底から他人になりきる基礎ができている」と。そんな芸人たちとつきあうことで自分もなにかを得るという監督は、「イケメン俳優なんか使わない」という。
だが、「パッチギ!」は、不幸にもイケメンブームに乗ってしまった。イケメンだから使ったわけではなくとも、結果として出演した高岡蒼甫らはその流れに乗って「イケメン俳優」と称されることになった。そんなイケメンたちについて、「あいつら、大っきらい!」と、怒る監督。「育てた子じゃないですか」と宮川がフォローするも、「一生、仕事せん!」と怒り続ける監督にコバヤシが、「ほんまは、さみしかったんでしょ」と言うと監督は照れたように、「まあ、それもあるかな」と。育てあげた子が別な世界に行ってしまった寂しさ、そんな複雑な心境も見せた。
そのあと三人は、それぞれが思う男のカッコよさについて語った。「自分でカッコいいだろうっていう男が嫌い」と監督は言う。「カッコいいって、カッコ悪い。カッコ悪いことがカッコいいって思う」とコバヤシも語る。「50歳ぐらいになったときカッコいいと言われたら、男としてカッコいい」と、宮川が言った。熱く語る彼らが男のカッコよさを体現している、そんな30分だった。
(TechinsightJapan編集部 大藪春美)