ミュージシャンのスガシカオがラジオ『アサヒビール presents MUSIC FLAG』に登場した。スガシカオファンだという、オリエンタルラジオの中田敦彦がナビゲーターだ。その中でスガは今のミュージックシーンについて、そしてNEWアルバムに秘めた覚悟を赤裸々に語った。
スガシカオがサラリーマンから単独でミュージシャンに転向したことは有名だ。そんな彼も1995年から活動しており、すでにベテランの部類に入るといっていいだろう。今年5月12日には9枚目のアルバム『FUNKASTiC』(ファンカスティック)をリリースしている。同番組では43歳の彼がこのアルバムに託した覚悟を語ったのだ。
『FUNKASTiC』はその名のとおり、ファンク路線を打ち出しているアルバムだ。これまでもファンク色が強いことが彼の持ち味だった。しかし、反面、楽曲によっては悲しいメロディアスな部分も魅力だ。
それに対してスガシカオは
「これまではハッチャケると『そこまでやらなくてもいいんじゃない?』って声が出た」
と好きなファンク色を出しにくい状況にあったことを明かした。
彼自身もそんな周囲の声に同調して
「60%くらいにしとこうか」
と盛り上がる気持ちを抑えることが多かったのだ。
そんな経験を振り返り、今、彼の心境は変わったようだ。
「『スガシカオ終わったね』と言われてもいいや」
と吹っ切れたというのだ。
今自分が届けられるモノは今しか出来ないと気付いたのである。
しかも、自分だけではない、今の音楽界にも危機感をもっている。
「ミュージシャン達が底上げしていかないと、このまま悪い方向になっていく気がする」
と警鐘を鳴らす。
音楽に限らず、自由に創造しにくい世の中になっていると彼は感じているのだ。
そんな、変化していこうとするスガシカオを支えるのがファンの力だ。
ファンク色を押し出した新作は、これまでのヒット曲のイメージを破壊する恐れさえある。
そんなことができるのも、ファンがそれを理解してくれて許容してくれるからだと彼は思っているのだ。
彼にはすでにヒット曲も多数あり、他にも『夜空ノムコウ』(SMAP)、『Real Face』(KAT-TUN)、『アオゾラペダル』(嵐)。
など、楽曲提供でも活躍している。
昨年はロンドン公演も行い、海外でも通用することを感じたという。
そんな実績を持つ彼が今また、さらに次のステップに進もうとするその本心は何なのか?
ナビゲーター役のオリエンタルラジオ中田敦彦が彼に聞いている。
「LIVEだとか、曲作りだとか・・・。ずっと続けていると辛くないですか?
僕なんか、ステージや番組が続くとよく感じるんですけど」
と中田から聞かれてスガは
「まだ、僕売れてないから。僕の中でまだ来てない。
だから納得してないんだ」
と答えたのだ。
中田敦彦はこの言葉が今も自分の支えになっているという。
彼のように、スガシカオの楽曲や生き様に救われた者は多いはずだ。
そして、これからの新たな彼にまた力をもらうことができそうだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)