『アハ体験』などで知られる脳科学者の茂木健一郎がテレビ「笑っていいとも!」に出演した。彼は新たな自著で坂本龍馬の脳について書いているが、その内容に触れた際に「まさにタモリは龍馬のようだ」と評価した。
茂木健一郎が同番組のテレフォンショッキングに登場した。あの歌舞伎役者、市川海老蔵からの友達の輪がつながったのだ。茂木は新刊の「人生が驚くほど変わる、龍馬脳のススメ」(4月3日発売)に触れて、「坂本龍馬の脳を研究して人生前向きに生きようという本です」と紹介した。司会のタモリも歴史には詳しい。すぐに興味を示したのである。
タモリ「坂本龍馬の脳って何が分かるの?」
茂木「彼が、脱藩というのをしたんですよ、26歳の時に。
脱藩という事をするという行為が、これからの日本人には大事だと思う」
タモリ「幕末の頃、脱藩というのは犯罪だったんだよね」
茂木「本人も切腹かもしれないですしね・・・」
龍馬伝では4月4日放送の回より第2部となり脱藩してからの龍馬が描かれる。まだ藩からどう対応されるかがつかめないが、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」では、勝海舟の尽力によって脱藩の罪が解かれるまでは罪人として手配されるのだ。しかも、実家の坂本家も罪人扱いをうけることとなる。それほど脱藩というのは覚悟のいるものだったのである。
茂木「今は、日本人がちょっと組織に頼りすぎている。
例えば、いい大学に入ると安心とか、正社員じゃないと安心じゃないとか」
タモリ「ああ・・うんうん・・」
茂木「ああいうのは、脳科学の立場からいうと、良くないと思うんですよ」
タモリ「あーーっ、そうっーー」(と大きくうなずく。)
茂木「余り組織に頼るのは良くない。ここは坂本龍馬に見習ってみんな脱藩しようと!」
タモリ「ああああああ」
ゲストの話でタモリがこういう風に感情を表すことは珍しい。
この発想にかなり共感したのだろう。
タモリ「(龍馬は)脱藩して会社まで作ってるからね」
茂木「今、みんな幕末に憧れてますけど、その割にはやってることは、いい大学に入りたいとか、大企業に就職したいとか・・。
女の人だと、婚活って流行りましたけど、あれは結婚という安心を得たいということ。なんか逆の方向に行ってるんですよね」
タモリ「そうそう、逆の方へ行ってますね、みんな」
茂木「タモリさんなんか、そういう意味ではね、ずっと脱藩してるようなものだから」
タモリ「ずっと、脱藩してるよ俺は!ホントに!追われる身ですよ、脱藩して」
会場「ハハハハ(笑)」
脱藩論の話はこれで終わった。なるほど、タモリは田辺エージェンシーという事務所には所属してはいるが、彼ほどの位置になると、事務所が逆に頼りにする存在だろう。会社に依存しているという形ではないのだ。茂木の提案する脱藩を組織から外れてしまうと解釈すると現実的でない。しかし、タモリは組織に所属しつつも依存はしないという好例なのだ。この、「龍馬脳のススメ」は低迷する日本社会を活性化させるきっかけとなるかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)