女優の片平なぎさがテレビ「ごきげんよう」に出演した時のことだ。彼女が話した内容は、友人と温泉旅館に行った話しだった。だが、まるでサスペンス劇場のような展開にゲストのDAIGOをはじめ周囲の者は次第に怖くなったのだ。
片平なぎさが話した内容は次のようなものだ。
長くなるが、貴重な体験なのでできるだけ再現してみた。
片平の外国に住む友人が久しぶりに帰国するので温泉に行くことにした。
片平は友人が好きなひなびた温泉を「温泉百選」などの情報で探した。
土日なのでなかなか空きがなかったがその宿がよさそうなので
「なんとかなりませんか?」
と粘ったところ
「仲居さんが使う部屋ならば・・・」
と好意で使わせてくれることになったのだ。
二人が到着すると川端康成の雪国のような景色の中にその旅館はあった。
その旅館に入ろうと近づくと何か様子がおかしい。
写真とは同じなのだが、どこか違うのだ。
間口が狭くて、カーテンが半分しまっているのである。
しかし、看板の名前も○○旅館で間違いない。
そしてその旅館に入り
「すみませーーん、すみませーん」
と呼ぶと、奥から番頭さんが出てきた。
彼女が
「予約していた、片平と申します、二人でお世話になります」
と言うと
「はいはい、どうぞどうぞ」
と案内してくれた。
通された部屋は二階だった。しかし、彼女は
「二階までに通る部屋が全部閉ざされていて、灯りもまったく漏れていないの。人の声も聞こえない」
と気になったのだ。
小堺一機が
「満室だって言ってましたよね?」
と確認すると彼女は
「はい。そして、二階の奥の仲居さんのお部屋へ行くまでもスリッパもないし、人の気配がまったくないの」
と説明した。
そして仲居さんの部屋へと通されると、その部屋は土壁だった。
そして、その土壁にはカモの剥製がまるで生きたまま埋められたみたいに・・・。
と片平はカモが羽ばたきもがく仕草をして見せた。
「いやーーっ、コワーーいっ」
と観客からは悲鳴が上がった。
「ほんとなのよ!」
と片平は念を押す。
ゲストの野口健(アルピニスト)も不思議がり
「壁にカモがいるの?」
と聞き返した。
「壁に生きたまま埋められたかみたいにモガきながらカモが埋まっているのよ」
と再度片平が説明する。
「うわーーー、気持ち悪い」
と小堺は言ったがその顔は笑っている。
「ちょっと待って。それって、サスペンス劇場じゃないですか!」
と茶化すと
「うそじゃない!うそじゃないって!」
と片平は必死に訴える。
小堺も
「そんな部屋って嫌ですよね」
と信じることにした。
片平はさらに
「嫌よ!それが何羽も、何羽もいるのよ!」
と言うと
ゲストのDAIGOもさすがに悲鳴を上げて
「こわいッシュですね!それは!」
とウィッシュポーズで怖さを紛らわせた。
そして片平たち二人は
「変だよね、気持ち悪いね。とりあえず、窓をあけようよ」
と窓を開けたのだ。
「開けたら、外がないの。壁なのよ」
と言うと同時に
「きゃーーっ」
と観客から悲鳴が起きた。
共演者らも次第に動きが固まってきた。
そしてスタジオには怖い話しをする時のBGMが流されたのだ。
すると片平は
「いやだ、これ、怖い話しじゃないのよ」
と言うではないか。
小堺が
「え、怖い話しじゃないの!」
と拍子抜けした。
「ワハハハハハ」と観客もホッとして笑い、拍手まで起きたのだ。
そこで小堺が話しを整理する。
「そんな部屋は普通ないでしょ?仲居さんの部屋だとしても?
それって、いいカモが来たってことですか?」
と言うと、また笑いが起きた。
そして片平は話しを続けたのである。怖くないはずの・・・・
やがて、番頭さんが持ってきた晩御飯は”冷めたご飯に、煮干を焼いたもの、たくあん・・”
という信じられない内容だった。
さらに、お風呂に入ろうとすると”骨董品をおくような棚がある脱衣場と三角形の小さな露天風呂”だった。
とにかく一般常識では信じられないような旅館だったのだ。
小堺も
「おかしいよね、それ、もう帰った方がいいですよ」
と呆れた。
片平も
「そう。おかしいの。だからもう寝ようって言って、二人で同じ布団に入って手をつないで寝たの」
と言うのだ。
「え、寝たの!」
と小堺は不安そうに言った。
片平は続けた
「そう、いい年した女が二人で手をつないで『何かあったら起こしあおうねっ』て寝たの」
そうして、灯りを消して寝ようとしたその時だ
「パシッ、ビシッて、ラップ音がするのよ!」
と片平は話した。
「・・・・・・」
と沈黙が流れた後
「ひゃーーーっ」
と観覧席からまた悲鳴が起こった。
つまり、最終的には怖い話しだったのである。
ごぎげんようスタッフがこの後、その宿を見つけようと調べたがわからなかったようだ。
小堺も
「異次元に入ったかのような怖い話しだった」
と感想を話してDAIGOにも感想を求めると
「いや、怖い話し苦手なんで、マジ、ガチ、ガチガチでしたね」
とDAIGO流に話していた。
実は、片平なぎさはこの後、さらに凄い話をしてくれたのだ。
それはまた、次の機会にお届けしようと思う。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)