BARBEE BOYS (バービーボーイズ)の全国ライブツアー「Bcc:from BARBEE BOYS AD2010」が、3月7日、東京・日本武道館で最終日を迎えた。武道館での公演は1986年11月4日以来24年ぶり。このライブの様子をレポートする。
バービーボーイズは84年にデビューし、92年に解散したバンドだ。解散後、これまでに何度かイベントに出演したり、昨年も全国ツアーを行ったりするなど、期間限定という形で再活動している。
今回の全国5公演のツアー最終日の日本武道館には、当時からファンだったと思われるアラフォー世代の男女はもちろんのこと、その世代が子連れで参加したり、当時はライブに参加できなかっただろう若い世代も参加したりしていた。開場前から雨の中、武道館に大きく飾られたツアータイトルをバックに記念写真を撮る人も多かった。
2ndシングルにもなった「もォやだ!」でライブが始まると、観客はすでにヒートアップ。ボーカルとサックス担当のKONTAは黄色いジャケットに身を包み、高音のハスキーボイスで観客を魅了する。ボーカルのKYOKO(杏子)は、黒のミニドレスで曲によってはスカート部分を外し、セクシーに踊り歌う。ストールをくるくると振り回し、自らもくるくると回る杏子ならではのスタイルも健在だ。ギターのIMASA、ベースのENRIQUE(エンリケ)、ドラムのKOISOも当時を彷彿とさせる演奏を聴かせる。92年の渋谷公会堂での解散ライブから18年経ったわけだが、当時のまま何も変わらないようで、これはある意味「奇跡」とも思える。
この日の武道館はステージ斜め後方までもびっしりと観客が客席を埋め尽くし、バービーボーイズの”現在の”人気ぶりがうかがえた。杏子が、自分の合図で観客にウェーブやジャンプをさせて、その超満員の客席がつくる模様を楽しんだ一幕もあった。
「チャンス到来」「泣いたままでlisten to me」「目を閉じておいでよ」「chibi」「負けるもんか」「ラサーラ」 などを披露し、本編が終了。アンコールでは「他の曲と比べて演奏した回数が少ないけど」と前置きして新曲「CRAZY BLUES」も披露。また、同じくアンコールの「なんだったんだ?7DAYS」では、Tシャツとロングスカート、髪をふたつに分けて結ったカジュアルスタイルに変身した杏子が、タンバリンを空中に高く投げてキャッチし、当時と同じように歌い踊った。
2回目のアンコールが終了し、会場にフランス映画「男と女」の曲が流れた。当時はこの曲がライブ開演前に流れると、ライブ開始の合図だったのだ。だが、この日はその後、客電がついて、ライブ終了を告げる場内アナウンスの声。それでも諦めきれない観客に応えて、なんとメンバーが再びステージに戻ったきたのだ。そして演奏した、彼らのデビュー曲「暗闇でDANCE」でこの日のライブが本当に幕を閉じた。
近年、ユニコーン、リンドバーグ、アリスなど期間限定の活動も含めてではあるが、再活動するバンドが見受けられる。バービーボーイズは今後の活動は未定のようだが、ファンがまた再活動を期待しているのは、この日メンバー自身が一番感じたのではないだろうか。「(メンバーが入れ代わるバンドもあるけど) 俺たちは皆オリジナルメンバーだぜ!」とこの日武道館のMCで誇らしげに語っていたように、またこの5人での活動を期待したい。
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)